ブーズロン × レンコンの鶏挽肉はさみ焼き
09/22
Point: なめらかさとミネラル感を合わせる
例えばミュージカルを観に行って、主役に目を奪われるのは当然のことですが、そうではない陰の存在にキラリと光るものを感じたり、見つけたりするのが好きな方、いらっしゃるにちがいありません。そういう人たちにお薦めしてみたいのがこのワイン。フランスのブルゴーニュ地方の白ワインといえば、花形品種はもちろんシャルドネ! ではありますが、こちらの白は「アリゴテ」。
若々しい香りはまだ少し控えめですが、レモンや柑橘類、リンゴのような香り、そして少しオイリーなニュアンスも感じられます。なめらかな口当たりで、酸がフレッシュで、コクがあり、ミネラル感も。口の中で硬い洋梨のような白い果実の香りも広がり出て、派手ではないけれどバランスのとれた、心地よい口当たりです。
ナチュラルなニュアンスなので、お料理もあまり強すぎないものがお薦めです。蒸し鶏のハーブ風味、野菜と鶏肉の煮物、焼き魚、イカの天ぷら、マッシュルームのサラダにフレッシュチーズを添えて、あるいはタラの西京焼。今回は、鶏挽肉をレンコンではさんで、片栗粉でまぶしてからフライパンでこんがりと焼いてみました。外側はカリッとして鶏はなめらかなので、ワインのカリッとしたミネラル感となめらかな触感と、ちょうどよいトーンにできます。お好みで、青海苔のトッピングを。
<付記>
ブルゴーニュでの「アリゴテ」の歴史は長いにも関わらず、シャルドネのほうが出来が良くて華やかなので、どんどんよい場所(畑の中のよい位置)をシャルドネに奪われて、だからだんだん酸の高いスキニーな品種という汚名をきせられて(立地だけでなく、こういう運命となった理由は他にもありますが)。とうとうカシスのリキュールと白ワインをミックスしてつくるカクテル「キール」には「アリゴテ」というレッテルを貼られたしまったわけです。
ところが、これらを払拭したのがこの白ワイン。「ブーズロン」というのがブルゴーニュ南部の地区の名前で、最も品質の高いアリゴテが生まれる場所です。そして今では「ブーズロン」と書いてあればブドウは「アリゴテ」。こういう規定をつくるのに尽力し、且つこのワインの生みの親はオベール・ド・ヴィレーヌ氏。有名な「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ」の共同経営者のひとりです。
(text & photo by Yasuko Nagoshi)
カテゴリー | 白 | |
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ワイン名 | ブーズロン Bouzeron | |
生産者名 | ドメーヌ・アー・エ・ペー ドゥ・ヴィレーヌ Domaine A. et P. de Villaine | |
生産年 | 2011 | |
産地 | フランス/ブルゴーニュ地方 | |
主要ブドウ品種 | アリゴテ | |
希望小売価格 | 2,992円 | |
輸入元/販売店 | ラック・コーポレーション |
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