ワイン&造り手の話

「メゾン・ラポルト」は、1850年からずっとサンセールで、しかも最高の場所といわれる区画に畑を所有していました。ところが、長年その真価を発揮できずにいたようです。サンセールの大御所、ブルジョワ一族によって再生した経緯を、当主のジャン=マリー・ブルジョワさんに聞きました。

 

<ブルジョワ家がラポルトを継承>

「日本が大好き!」というジャン=マリー・ブルジョワさん。

「日本が大好き!」というジャン=マリー・ブルジョワさん。

ジャン=マリー・ブルジョワさんと、ラポルトの元当主ルネ・ラポルトさんは「近所だし、父同士の仲が良くてね。家族同然で育った間柄」だといいます。また、ワイン造りについての考え方も、とてもよく似ていたそうです。ところが、ブルジョワ家ほどうまくいっていなかったのでしょう、ラポルトは、ついに1986年、売却を決意しました。

「でも『絶対に、ブルジョワ家でなければうちのポリシーを理解し、伝えることはできない』というのです。サンセールで、サンセールの土壌を深く理解してワイン造りを始めたのが、ブルジョワとラポルトです。どちらも自社畑の80%がシレックスでね。繰り返して『ブルジョワ家にしか売りたくない』と言うので、すぐに買える状況ではなかったけれど、それから15年間一緒にラポルトを守るための努力をしていきました」。

 

結局、値段交渉も一切せず、借金も含めてすべてをブルジョワ家が購入しました。ルネ・ラポルトさんは2010年に引退し、今ではその息子のジャン・ピエール・ラポルトさんがブルジョワのチームと共にワイン造りにあたっています。

 

<ラポルトのこだわり>

さて、ラポルトのワインは3つのカテゴリーで6銘柄あります。

この石がカルケール。

この石がカルケール。

白いラベルは「ジュラ紀のカルケール土壌(石灰質土壌)」。プイィ・フュメとサンセール白、サンセール赤の3銘柄。

「プイィ・フュメ レ・デュセス2013」は、柑橘類と花の香りがして、タイトな体形です。

「サンセール レ・グランモンタン2013」は白い花、桃やアプリコットの香りがして、次第に丸みを帯びてきます。

 

こちらがシレックス。

こちらがシレックス。

白と黒のラベルは「シレックス土壌(火打石)」。

「プイィ・フュメ ラ・ヴィーニュ・ド・ボーソペ2009」は明らかにミネラル感があり、樽発酵の影響を受けバニラ系の香りが果実の香りに加わります。

「サンセール ル・ロショワ2013」は、ミネラリーで、白胡椒のようなスパイシーさ、白い花も感じられる、芯の強い味わいです。

 

黒いラベルは「しばらく保管しておいてほしい」銘柄なので、黒と金の配色で高級感を出したとか。

サンセールのバンネイ地区に、ラポルトが所有する8.5ヘクタールの南南東の斜面にある畑で、粘土とシレックスが特別な、複雑なワインを生み出すのです。上の「ル・ロショワ」が、平均樹齢40年なのに対して「ル・グラン・ロショワ」は、2.5ヘクタールの樹齢40年以上の古樹だけの区画のブドウだけから造られます。2009年ヴィンテージは、より力強くふくよかな味わいでした。

 

ちなみにラポルトも、アンリ・ブルジョワのように、ニュージーランドのマールボロでも「チャペル・ピーク」と「フュージョナル」の名でワイン造りを行っています。NZ好きの方はこちらもチェックしてみてください。ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・ノワールともに入荷しています。

 

ところで、日本びいきのジャン=マリーさんは27年間毎年日本を訪問し、日本の朝ごはんを食べるのが大好きだといいます。「納豆を必ず食べるよ」と!? フランス人で納豆好きの人は、何人ぐらいいるのでしょうか?きっと、少ないですよね?

(輸入元:富士インダストリーズ)

(tex t & photo by Yasuko Nagoshi)

 

ボトル2 カテゴリー 白ワイン
ワイン名 サンセール・ブラン ル・ロショワSancerre Blanc Le Rochoy(写真右から2番目)
生産者名 ラポルト Laporte
生産年 2013
産地 フランス/ロワール地方
主要ブドウ品種 ソーヴィニヨン・ブラン
希望小売価格 4,000円
輸入元/販売店 富士インダストリーズ
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