池田美樹のおしゃれとワインのいい関係 〜和菓子とワイン〜優雅で美しい取り合わせのよろこび〜
06/22
和食とワインを合わせるという提案は、今や当たり前のようにおこなわれているようです。試飲会に行くと、「魚に合う」「寿司に合う」といったことのみならず、もっと細かく素材や料理を提案してあることも多く、興味をそそられます。
では、和菓子はどうでしょうか。和菓子に合うワインはあるのかしら…。
ふとしたこの思いつきを形にしたい! と、すぐに、和菓子を偏愛し日に1種類は必ず食べるという友人と、どんな無理そうなシチュエーションやオケージョンであっても、ぴったり合うワインを選んでくれる友人に招集をかけました。
自分で解決せずに、さまざまな専門家の知恵を借りてものごとを成し遂げようとするのが編集者です(笑)
昨年から、初心者向けのワインのイベント「仮免葡萄会(かりめんぶどうかい)」を企画しており、様々なテーマをもうけてワインを身近に感じてもらう試みをおこなっています。せっかく2人の知恵をいただくなら、その会で、この「和菓子とワイン」をテーマにしようと決めました。
そうなると、私の要求はエスカレートします。和菓子の友人には「和菓子をコース仕立てで出してほしい」とオーダー。ワインの友人には「和菓子一品一品に、ワインをペアリングしてほしい。しかもテーブルワインで」という注文。事前の会議では、候補の和菓子を食べながらワインについて検討し、世にも稀なる「和菓子のコース仕立てとグラスワイン」のメニューが出来上がりました。
結果、イベントでは大好評。
以下にその日のメニューを提供順にご紹介します。
梅園「あんみつ」×サン・コム リトルジェームス バスケット プレス レッド(グルナッシュ)
季節の上生菓子(白あん)×ツェラー・シュヴァルツ・カッツ
坂角総本舖「姫ゆかり」×シンハービール
長命寺「桜餅」×ロゼ・ダンジュ
豊島屋「小鳩豆楽」×ウルフブラス(シャルドネ)
紀州南高梅
叶匠壽庵「一壺天 」×コノスル ピノ・ノワール
(和菓子セレクト・弓月ひろみさん ワインセレクト・岩瀬大二さん)
ワインにはちっとも詳しくないけれど楽しく飲みたい、と集まってくれた女性7名。なかでも「この組み合わせは素敵!」と評判だったのが、こしあんとグルナッシュ、豆粉とシャルドネ、大納言とピノ・ノワール。こう聞くと意外なようだけど、意外とよく合うワインがあるものなんです。
口直しに挟んだゆかりとシンハービールという組み合わせもお見事でした。南高梅は、グラニュー糖をかけて。これは、関東圏と福島県でよく見られる食べ方なのだそうです。
和菓子とワイン。また新しい扉がひらいたような、実に新鮮な体験でした。秋になれば和菓子の素材が変わるので、違うワインとの組み合わせができるかも、と、今から次の企画を立てるのをひそかに楽しみにしています。
その際は、みなさまも私のイベントにいらっしゃいませんか?
ただし、今回集まってくれた女性たちが言っていたように「お茶と和菓子だとすぐにおなかいっぱいになるのに、どうしてワインと一緒にいただくとどれだけでも食べられるんだろうね?」というキケンを顧みない人限定、ですが(笑)
(text by Miki Ikeda / photos by Kaya Furusho)
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