ワイン&造り手の話

ルイナールといえばブラン・ド・ブラン、ピュアなシャルドネのイメージです。独特のフォルムと透明ガラスがあいまって、香り高くて上品な味わいを演出するのにふさわしい! と思っていたのですが、この6月からラベルも箱もデザインが一新しました。より、純粋なイメージが定着するかもしれません。

 

左が旧ラベル、右が新ラベル。

左が旧ラベル、右が新ラベル。

新旧ボトルを比べて変わった部分を確認すると、

楕円形のラベルの色が茶色から「白」へ。

シャンパーニュ最古のメゾンであるルイナールには、ガロ・ロマン時代の「クレイエル」と呼ばれる真っ白な石灰岩の石切り場跡が残っています。今年7月には「シャンパーニュ」が世界遺産に登録される予定ですが、数カ所に残っている「クレイエル」もその対象のひとつとなっています。今では、涼しく湿度も理想的に保たれた地下セラーとして使われています。シャルドネの白だけではなく、「クレイエル」の白も思わせる色として選ばれたようです。

「紋章」がくっきりと。

ラベルの上のほうに、実はルイナールの紋章が描かれていました。今までは茶色に馴染みすぎていて目立ちませんでしたが、新ラベルでははっきりくっきり。紋章には「2頭のライオン」「子爵の冠」「盾」が描かれ、盾の中の星とハートは、ルイナール一族の美徳である「純粋さ、謙虚さ、希望と真実」を表現しているようです。

ボトルネックに「1729」

ネックの下方には、ルイナールの創業年「1729」という数字が入るようになりました。とっても古い年代なので、1729年ヴィンテージだと間違えることはありませんよね。大丈夫!

 

 

フレデリックところで、ちょうど来日していたルイナールの最高醸造責任者のフレデリック・パナイオティスさんは「デザインの変化はぼくには関係ないけれどね」と、涼しげな表情で微笑みながら、昨年のヴィンテージ情報を教えてくれました。

「2014年は、ルイナールでは『ヴィンテージ』は造らない。シャルドネの品質はそこそこよかったけれど、ルイナールにとってはそれほど魅力的ではなかった。地域によっては出来がよい所もあったけれど、うちにとっては2013年のほうがよかった」

 

そして、「ルイナール ブラン・ド・ブラン」の750mlと1500mlボトルを同時に味わう、という面白い試みをさせてもらいました。普通のサイズは2011年がベースワインで、マグナム瓶は2010年がベースワインでした。

普通サイズは、白い花や果実のフレッシュな香りが上品に立ちのぼり、味わいも繊細優美でした。一方マグナム瓶は、全体にまろやかになり、トースティーさや熟した果実が香り、旨みがより感じられ、一段奥深さが出てきているというニュアンスでした。

 

シャンパーニュのマグナム瓶は、本当に摩訶不思議な魅力を醸し出してくれるということを、改めて確認してしまいました。

(輸入元:MHD モエ ヘネシー ディアジオ)

(text & photo by Yasuko Nagoshi)

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