ワインと料理

Point: なめらかさと甘い香りを合わせる

簡単ソースを添えると、このマルベックによく合います。

簡単ソースを添えると、このマルベックによく合います。

アルゼンチン特有のブドウ品種として定着してきた「マルベック」、試したことありますでしょうか? とても鮮やかな色ですが、それほど重くなく、タンニン分が強くなりすぎることもない品種なので、比較的日本の家庭料理に重宝する品種だと思っています。

これもマルベック100%の赤ワインです。ハツラツとした香りで、チェリーやプラムなどのリキュール、そして紫色の花を思わせるフローラルなニュアンスも。なめらかな口当たりで、ふっくらとした印象と、若々しいジューシーさもあり、重すぎずタンニン分も気にならない、バランスのよい味わいです。

カルパッチョやローストビーフのようなジューシーな赤身肉や、鴨肉の燻製にも合いそうです。肉じゃがやチンジャオロースーにもよいかもしれません。でも今回は、もっと気軽に。ハンバーグ! 熟した果実の香りがあるので、ソースを添えてみました。これも簡単。バルサミコ酢(濃厚なお高いものではなくて、極普通のスーパーで入手できるサラッとしたタイプ)とケチャップをなじませて、ハンバーグを焼き終えたフライパンで軽く火を通すだけです。でもこれだけで甘い香りとコクを加えることができて、このワインとの相性がアップします。

<付記>

このワインの造り手である「カテナ」は、20世紀初頭にイタリアからアルゼンチンに移住してきた一族です。ワイン造りを始めて量産体制を整えていったのですが、1980年から品質至上主義へ転換し、特に2000年以降の評価がうなぎ上り。ボルドーのシャトー・ラフィットのロスチャイルド家とのジョイントで「カロCaro」を立ち上げていることでも知られています。

ついでに、アルゼンチンのワイン産地は標高が高い位置にあります。冷涼なので長くゆっくりとブドウが熟すという利点もあるのですが、紫外線が多いのでブドウの果皮が厚くなりやすく、その分ポリフェノールの一種で話題にものぼっているレスベラトロールの含有量が高いとか。ちょっと嬉しいですね。

(text & photo by Yasuko Nagoshi)

標高850メートルから1500メートルの間に5つの畑を所有。

標高850メートルから1500メートルの間に5つの畑を所有。

カテゴリー 赤ワイン
ワイン名 カテナ マルベック ハイ・マウンテン・ヴァインズCatena Malbec High Mountain Vines
生産者名 カテナ Catena
生産年 2010
産地 アルゼンチン/メンドーサ
主要ブドウ品種 マルベック
希望小売価格 2,840円
輸入元/販売店 ファインズ
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