ワイン&造り手の話

チリワインといえば思い起こす言葉は「チリカベ」、でしょうか? チリ産のカベルネ・ソーヴィニヨンから造られる赤ワインは、価格が手頃な上にとても口当たりがよくて飲みやすいので、今では日本全国で販売されています。こんなに人気なのにも関わらず、生産者側には実は少々不満があるようです。さて、どうしてなのでしょう?

ファンからの質問を熱心に聞くアウレリオ・モンテス氏。

ファンからの質問を熱心に聞くアウレリオ・モンテス氏。

「チリワインは若くして飲みやすいから、熟成はしないと思われている」と、アウレリオ・モンテス氏。ワイン生産の伝統国でもあるフランスで、最も評価を得ているというチリワイン「モンテス」の社長であり醸造責任者も務める人物が、こう漏らしました。確かにそうかもしれません。早く美味しく飲めるワイン、特に新世界生まれのワインはそれほど長期熟成可能性がないに違いない、と大半の人が思っているのです。

ところが! 「モンテス・アルファ カベルネ・ソーヴィニヨン」の2010年と特別に蔵出しされた2005年を比較してみると、2010年はハリのあるフルーツの香りが心地よいけれどまだちょっと硬く感じられ、味わいではタンニンもはっきりしているのに対し、2005年はミントと果実の香りがとてもきれいに融合して華やぎ始めている状態で、味わいはしなやかにバランスがとれていて、まったく枯れている要素が感じられなかったのです。

ちょっと驚いて2005年について尋ねてみました。こんなにきれいに熟成できる最大のポイントは? すると満面の笑みで答えてくださいました。「洗練されたタンニンが何より必要で、青みやエグミのあるタンニンはダメ」。なるほど、なるほど。その点チリではカベルネ・ソーヴ

シラーだけで造る「モンテス・フォリー」も美味です。

シラーだけで造る「モンテス・フォリー」も美味です。

「モンテス・アルファ カベルネ・ソーヴィニヨン」の熟成可能性を証明した2005年ヴィンテージ。

「モンテス・アルファ カベルネ・ソーヴィニヨン」の熟成可能性を証明した2005年ヴィンテージ。

カリフォルニアのナパ・ヴァレーとパソ・ロブレスでもワイン造りを始めていました。

カリフォルニアのナパ・ヴァレーとパソ・ロブレスでもワイン造りを始めていました。

ィニヨンがきちんと成熟してくれるので、条件がよいというわけです。

チリの赤ワインも、すぐに飲みきってしまわないで何年が自家熟成させるのも面白そうですね。

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ワイン名:モンテス・アルファ カベルネ・ソーヴィニヨン2010 Montes Alfa Cabernet Sauvignon 2010

生産者:モンテス Montes

産地:チリ/コルチャグワ・ヴァレー

ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニヨン

輸入元/希望小売価格:エノテカ/1,995円(ヴィンテージ・セレクション2005年 特別価格2,625円)

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