北イタリアで見つけた美味しいもの♪ 〜フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州のコッリオの食卓〜
07/01
成田から14時間かけて、水の都ヴェネツィアにあるマルコポーロ空港へ直行便で到着しました。でも、ヴェネツィアの街は空の上からちょっと垣間見ただけで、そのまま車で約1時間半北東へ向かいました。そこはもうスロヴェニアとの国境がある、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州のコッリオ地区というワイン産地です。アルプス東部のジュリアン・アルプスが見えて、いくつもの緑豊かな丘が連なっています。特に白ワインが有名で、だいたいどの生産者も80パーセントを白ワインが占めているようです。フリウラーノやピノ・グリージョといったブドウ品種が最も有名でしょうか。
美味しいワインがある場所には、必ず美味しい食があるもので、今回も数日の滞在期間中にいくつかの名産や名物に出会いました!
日本のイタリアンレストランでもよく使われている「サン・ダニエーレ」という生ハムは、このフリウリ地方のものです。どこでも超薄スライスでサービスするのがお決まりのようで、口の中でふわりと溶けていくような上品な味わいがサン・ダニエーレならでは。だから、何枚でも食べられそうだなあ、と思いつつ手を伸ばして口に入れ、ちょうどアペリティフで出てくる白ワインを飲むと、本当に美味しい組み合わせなので、ついついどちらも進んでしまうのです。
ちなみに、コッリオでアペリティフに飲むのは「リボッラ・ジャッラ」という品種の白ワインが多かったですね。最も繊細でフレッシュなタイプに仕上がるので、食前酒に最適でした(一部の昔ながらの手法で造られるリボッラ・ジャッラは、色が濃くて収れん性があるので少しタイプが異なります)。
それから、サン・ダニエーレと同じぐらい毎日のように食べさせてもらったのが、チーズの「モンタージオ」。サン・ダニエーレと同様に、フリウリ地方のDOP(原産地呼称)がついた名産です。モンタージオは牛乳から作られるチーズですが、わりあいあっさりしたタイプなので、これもひとつのはずがふたつ、みっつと口に放り込んでしまいます。やっぱり白ワインと美味しい組み合わせでした。熟成したタイプもあって、そちらはもう少しパルメッジャーノに似た旨み凝縮タイプにです。
この地方で最も有名なチーズ屋さんだと聞いたゾフZoffのモンタージオは、特に香りが高くて驚きました。フルーティーな香りがするのです。
そして、モンタージオで作るというチーズせんべい「フリーコ」が、食前のテーブルで出てきました。たぶんイタリアの他の地方でも作られているのでしょうが、ここではモンタージオで作るのがならいで、写真のようなプレーン・バージョンと、あらかじめ炒めた玉葱と一緒に焼くバージョンとあるそうです。すりおろしたチーズをフライパンで焼くので、カリカリッとした食感と香ばしい香りがなんとも魅力的で、この大皿のフリーコはあっという間になくなりました!
最後にデザートをひとつご紹介します。ザバイオーネ・ソースが添えられたクルミをたっぷりと使ったパイで、レストランでのディナーで撮影したものです。ワイナリーの敷地でも山ぐるみの樹をいくつも見かけました。今回は出会いませんでしたが、クルミにレーズンなどのドライフルーツを混ぜたフィリングを作り、それを巻き込んだロールパンもこの地方でよく食べられるようです。
チーズのモンタージオはあまり日本で見かけないかもしれませんが、サン・ダニエーレはわりあいよく出回っていますから、機会があれば是非フリウリ地方の白ワインと合わせてみてください。コッリオの上質な白ならば、更にお薦めです!
(text & photo by Yasuko Nagoshi)
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