ワインと料理

Point: 土地柄となめらかさを合わせる

夏にはテラスやビーチ、あるいは渓谷など、アウトドアで食事をとりたくなります。いつもの料理やワインでも、外で食べるとひと味ちがうように感じるのは、すがすがしさが加わるからかもしれません。ちょうど訪問先のロワール地方で、川沿いのビストロがテラス席を出していて、この土地らしい風景を撮れたのでご紹介します。

 

川沿いのテラスで食べると、すがすがしさが一層増します。

川沿いのテラスで食べると、すがすがしさが一層増します。

フランスのロワール地方では、魚介類が豊富で、サーモンのカルパッチョは前菜としてよくみかけるメニューのひとつです。脂ののったサーモンに、スライスした野菜がトッピングされて、レモンが添えられたシンプルな一皿です。地元品種のシュナン・ブランで造られた辛口白ワイン「サヴニエール」と一緒に楽しみました。

 

パトリック・ボードアンという、素晴らしい造り手さんの作品です。シュナン・ブランというブドウは、辛口から甘口まで、スティル・ワインからスパークリングワインまである、マルチな品種なのですが、このサヴニエールは辛口タイプのスティル・ワイン。華やかな香りとしっかりとした酸味がシュナン・ブランの特徴で、パトリック・ボードアンのサヴニエールは、オイリーなニュアンスも感じられる、凝縮した味わいです。

 

レモンをギュッとしぼったカルパッチョとサヴニエールは、酸味の具合もほどよく、ワインのオイリーな食感とサーモンのとろりとした味わいがとてもよく合いました。

 

4代目当主のパトリック・ボードアンさんは、まだまだ現役です!

4代目当主のパトリック・ボードアンさんは、まだまだ現役です!

パトリック・ボードアンは、同じシュナン・ブランから造られるカール・ド・ショームなど甘口ワインも有名ですが、辛口のアンジュー・ブラン、あるいはカベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランをブレンドした赤ワイン、アンジュー・ルージュもとても充実した味わいでした!

ロワール地方のワインは、この地方を吹き渡る風のような爽やかさを感じられるものが多いので、暑さを癒すのにちょうどよいかもしれません。

(text & photo by Yasuko Nagoshi)

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