ワインと料理

Point: スパイシーさを合わせる

暑い夏の最中は、さすがに重厚な赤ワインを飲みたい気持ちが湧いてきません。でも、たまには赤ワインも飲みたいものです。でも、あまり軽すぎてもつまらない、でも重たいのはどうも……。こういう悩ましい気持ちをスッキリさせてくれる赤ワインを見つけました! ティエリー・モルテのパストゥグランです。

 

パストゥグランはご存知のように、3分の1以上のピノ・ノワールとガメイをブレンドして醸して造る赤ワインです。ただ、造り手によって個性に幅があって、ガメイの個性が主体の軽快でとてもフルーティーなタイプから、ピノ・ノワールや樽熟成の影響が強くてしっかり系のものまであります。このティエリー・モルテの場合には、ちょうどその中間タイプでしょうか。

 

ガメイのハツラツとしたフルーティーさと、ピノ・ノワールのもつ落ち着きが、とてもバランスよいのです。甘いベリー系の果実と、ブラック・チェリー、それにスパイシーさや野性的なニュアンスも感じられます。味わいも、軽すぎず重すぎずで、みずみずしい酸とさらりとしたタンニンが心地よいので、食欲が湧いてきます。

 

スパイシーな香りがするので、そして夏なので、スパイシーな料理と合わせてみたくなりました。あまりかしこまって飲むというよりは、バーベキューなどのアウトドア料理の時にスパイスをガリガリッとふりかけた、骨付きのチキンや塊肉などのお伴にするのが楽しそうです。冷やしておいて最初は冷たい温度でガメイ系の爽やかさを感じながら飲み始め、次第に温度が上がるままにしておいて、今度はピノ・ノワール系の香りをじっくり楽しむ、という、1本で2度美味しさを得ることができるワインです。

手羽中2種

今回は、鶏の手羽中をつかって、2種類のミックス・スパイスでマリネしてオーブンでこんがり焼いてみました。

茶色く見えるスパイスが「タンドリーチキン(S&B シーズニングミックス)」で、こちらのチキンの場合は、ワインとチキンのスパイシーな香りがどちらも生かされて上がっていく組み合わせ。

白っぽいスパイスが「マジックペッパーソルト(S&B)」で、三ツ星シェフの魔法の隠し味、と書いてあります!ダニエル・マルタンがブレンドに協力しているとか? こちらの組み合わせは、旨みが増してふっくらした味わいになります。

どちらも塩も入っているので、少量のオリーブオイルを垂らしてスパイスをふりかけて馴染ませただけ、というお手軽料理です。夏はなるべくコンロなど火の側につきっきりで調理するのを避けたいですから、お薦めします。

 

ティエリー・モルテのパストゥグランで、暑気払いをしてはいかがでしょうか。

 

<付記>

有名なジュヴレ・シャンベルタンの造り手。ティエリー・モルテでは、パストゥグランは年間で2,500本ほど生産。有機栽培で、エコセールの認証を取得。樹齢45年のブドウ! 天然酵母でコンクリートタンクでの発酵。

(text & photo by Yasuko Nagoshi)

 

パストゥGモルテ カテゴリー 赤グワイン
ワイン名 ブルゴーニュ パストゥグラン Bourgogne Passetoutgrain
生産者名 ティエリー・モルテ Thierry Mortet
生産年 2011
産地 フランス/ブルゴーニュ地方
主要ブドウ品種 ガメイ2/3、ピノ・ノワール1/3
希望小売価格 2,700円(本体価格)
輸入元/販売店 ラック・コーポレーション
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