美味しい生活

旅先で食べた美味しいものを、自宅に帰ってから真似して作ってみたい、と思うこと、時々ありますよね。7月末にフランスのロワール地方の取材の時、アンジューの造り手さんのお宅で、夕食のデザートに出てきた奥様お手製のサブレが、とっても美味しくて、レシピをおねだりしてしまいました。素材のちがいはあるけれど、まずまずのできとなりました。

 

「ドメーヌ・デ・シェネ」は、ワイナリーを旦那様のオリヴィエさんが、ベッド&ブレックファーストの4部屋だけの宿泊施設を奥様のカトリーヌさんが運営しています。ワイナリー取材だけでなく、そこで1泊させていただいたのですが、特別に夕食をご馳走になりました。レストランを経営していたというカトリーヌさんの腕前はさすがで、何を食べても美味しかったのですが、最後のデザートが忘れられない味でした。

 

直径10センチほどのサブレに、美味しい生クリームとイチゴをのせて。サブレもクリームもイチゴも、それぞれとっても美味しいのです。イチゴは、独特の香りが今でも思い出されるほど! そういえば、日本でイチゴを食べるのは、クリスマスから春までですよね。でも、冬にイチゴを食べるというのはヨーロッパの人には信じられないようです。だって、彼らにとってイチゴは夏の果物だから。以前イギリス人の男性が冬のイチゴに驚いていたので、ハウス栽培のことや日本のイチゴの年末需要について説明したことがあります。でも、わざわざ冬に高いイチゴを食べるという習慣は、なかなか理解してもらえませんでした。

 

ともあれ、あまりにも美味しかったので、お礼を伝えつつ「レシピ教えて!」と、おねだりしてみました。すると、快く書いてくれたのですが、フランス語だったのです。でも、今回のロワール取材の仕切りをしてくれた、中央ロワール委員会のブノワ・ルメさんが英語に訳してくれました。ブノワの奥様は日本人のジュリさんです。ワイン関係者の方で、ご存知の方も多いかもしれませんが、巻き寿司の達人です。

 

さて、実際に焼いてみると、結構楽しい。フランスのサブレはあのジャリジャリッとした食感が独特で、もともと好きなのですが、作ってみたのは初めてでした。一口サイズのサブレがあるといいなあ、と思っていたので、ちょっと小さめサイズで数をたくさんにしてみました。

 

ちなみに、旦那さんのオリヴィエもブノワも、レシピをみて「僕でも作れる」と言っていました。確かに、材料を混ぜていくだけです。簡単&美味しいので、是非試してみてください。もちろん、美味しい生クリームとフルーツ、そして甘口ワインが揃えば最高です! あの日は、広々とした庭でテーブルを囲みながら、「ドメーヌ・デ・シェネ」の甘口白ワイン、コトー・デュ・レイヨンとともにいただきました♪

 

【サブレのレシピ】

<材料/天板約1枚分>

小麦粉  150g

バター   75g

上白糖   75g

塩  ひとつまみ

卵    1個

<作り方>

1 小麦粉、砂糖、塩をボールに入れて混ぜ、ダイス状にしたバターを加える。

2 バターを指で「粉」あるいは「砂」のようにする(指で潰すと溶けてしまう心配があったので、手を使わずナイフでさらさらになるまで切り刻みました)。

3 溶き卵を加え、生地をまとめてボールのようにし、ラップで包む。

4 約1時間冷蔵庫に入れて寝かしておく。

5 分量外の小麦粉を使いながら(夏のせいか生地は結構やわらかくて手にくっつきやすかったので小麦粉は必須でした)、好きな形状にしていく。

6 天板にのせ、予熱したオーブン(150〜180度)で約30焼くと出来上がり!

 

ロワール訪問されるなら、アンジューで一泊いかがですか? ドメーヌ・デ・シェネ

(text & photo by Yasuko Nagoshi)

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