スペイン、バスク地方で見つけた美味しいもの!① 〜アンチョビに開眼〜
04/02
フランスに一番近いスペイン、バスク地方は美食の地としても知られています。今回、バスク地方のワイン「チャコリ」と、その隣にあるリオハの取材に出かけたのですが、まあ美味しいものがたくさんあること! せっかくなので、ワインの記事には書ききれない美味しいものを、ご紹介します。
そう、「バスク地方に取材に行く」と告げると、必ず友人は「美味しいものが食べられるわね〜」と、羨ましそうに言ってくれました。確かに、バスク地方にはスペインで一番「三ツ星レストラン」が多い場所です。そして、日本でも人気のピンチョスが生まれたのもここなのです。
<海の幸1/アンチョビ>
まず、取材初日に訪問したワイナリーで出てきたアンチョビに驚きました!
アンチョビは、ご存知のように片口いわしの塩漬けです。これまでは、美味しいけれど塩辛いので、ほぼ調味料的な存在だと思ってきました。ところが、そのままでとっても美味しいおつまみになると、ここで認識が変わったのです。パンにのせて食べるのもよし、本当にそのままフォークで口に運ぶのも美味でありました。
形がしっかりしている。なめらかな食感が心地よい。塩の加減がほどよい。
この三拍子が揃っていて、一切れ食べると後をひき、結局一人で四切れぐらい食べたのではないかと思います。ちょうど爽やかでクリスピーなチャコリを試飲させてもらったところだったので、このアンチョビが素晴らしいアテとなったのでした。
聞けばここのワイナリー、チョミン・エチャニスTxomin Etxaniz 自家製のアンチョビといいます。どうやら、塩漬けの後にオリーブオイルで塩を洗い流してから、新しいオリーブオイルにもう一度漬けるのが、塩辛くしないコツのようです。一回で500キロもの大量な片口いわしを仕込むというので、驚きました。売り物にしているのなら買って帰りたいと思ったのですが、残念ながら自家用ということで販売していませんでした。
一週間を振り返ってみて気がつくと、一番美味しかったアンチョビは、実はチョミン・エチャニス自家製だったのですよね。
すべての取材が終了してから、宿泊先の近くのデパートにグルメ・ショップがあるというので行ってみました。せっかく海の幸の宝庫カンタブリア海近くまで来れたので、アンチョビは、絶対に買いたかったのです。目指せ、チョミン・エチャミスを越えるアンチョビ探し! という感じでしょうか。
すると、種類、サイズ、価格も様々あります。さすがは本場。
結局、中間よりちょっと高めの小さい缶を3種類入手しました。味のちがいはまた後日。
これを、どんな風にして食べるのかは、まだ決めていません。ピンチョス風にするならば、ヒルダかカナッペでしょうか。
ヒルダは、Gildaと書いてヒルダと呼ぶ、バスク名物のピンチョスで、たぶんどこのバルに行っても必ずあるものだと思います。グリーンオリーブと、酢漬けの青唐辛子と、アンチョビ。これがセットになって爪楊枝に刺さっています。場合によっては青唐辛子がとても立派で長いので、一口で食べられるかな〜、と不安になることもありましたが、まあ、がぶっといってしまうのが、一番よいように思います。だって、せっかくセットにしてあるので、それを別々に味わうのは野暮なのでは、と思うわけです。
そういえば、この青唐辛子も瓶詰めで売っていたので、グルメ・ショップで手を伸ばそうとしたのですが、なんだか躊躇してしまいました。手に取っておけばよかったと、今では思っています。それからなぜかこの青唐辛子は、あまり辛くありませんでした。1週間のスペイン滞在中に何度もヒルダを食べたのに、一度も辛くなく、同行した取材陣の中で一人だけが「一回だけ辛いのにあたった」という、極少ない確立でした。
バスク地方の美味しいものは、まだまだあります。次回もお楽しみに!
(tex t & photo by Yasuko Nagoshi)
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