秋を告げる極上の醤油 〜ヒゲタ醤油の「玄蕃蔵」〜
09/16
ひぐらしが鳴き始めたら、虫の音が聞こえ始めたら、栗が出回るようになったら。いくつも秋の到来を教えてくれるものがあります。この「玄蕃蔵」の到着も、ああそろそろ秋が来るんだ、と気がつかせてくれます。昔ながらの製法で仕込んだ貴重な醤油で、毎年9月9日に蔵出しされると決まっているからです。もちろん、味わいも別格です!
何年前からかは覚えていませんが、ある方からの気遣いでこの美味しい醤油を使わせてもらっています。色は明るく透明感があり、香りも上品です。濃いのではなくて香り高くて旨みたっぷりなタイプでしょうか。特に鮮度のよいお刺身を食べる時には、欠かせないアイテムとなってしまいました。醤油っぽさを主張しすぎず素材の味わいを活かしてくれるので、ワインやシャンパーニュを飲むときの醤油としてもお薦めです。
さっと茹でて水気を絞ったホウレン草に。牛ステーキを和風味で食べたい時に。秋刀魚のお伴の大根おろしに。卓上醤油として大活躍です。ちなみに、卵がけご飯に使うと、ワンランク上の味わいに変身させてくれます! 美味しいもの好きの皆さんは、きっと素材だけではなくて調味料にもこだわりをもつ方が多いのではないでしょうか。日本国中に色々な醤油がありますが、この味わいもまた独特です。
この「玄蕃蔵」は、江戸時代初期にヒゲタ醤油を銚子で創業した第三代田中玄蕃に由来する名前のようです。しかも仕込みが玄蕃の蔵で秘伝とされていた方法で、年に一度だけ特別に醸造する「江戸造り醤油」なのです。
11月に仕込み。
七草粥でも知られる1月7日の人日(じんじつ)の節句に、初櫂入れ式。
雛祭りの3月3日上巳(じょうし)の節句に諸味改め式。
5月5日端午の節句には、諸味奉納式。
7月7日の七夕の節句に、秘伝極めの式。
9月9日重陽の節句に、ようやく蔵出しとなります。
このように、すべてが江戸時代に定められた五節句にあわせて行われると決まっています。
(造りの詳細にご興味があれば、ヒゲタ醤油のHPの解説をご覧下さい)
数量限定品ですが、予約をしておけば来年の秋には手に入ると思います。ただ昨年だけは、できが良くないので出荷は見合わせさせていただきます、という案内状が届きました。それだけ厳格な基準があるということですね。
(text & photo by Yasuko Nagoshi)
最近のコメント