クレマンを飲み比べる! 〜ジュラのドメーヌ・グラン、ブルゴーニュのドミニク・クリュイエ、アルザスのドメーヌ・グリュス〜
10/03
泡好きは、毎日でも泡ものを飲みたくなってしまうようです。でも、泡ものは飲みたいけれど、シャンパーニュほど気構えたくはない。という時、ありますよね。ならばクレマンを手にしてみてはいかがでしょうか。今回はちょうど同じ価格のクレマン3種類を比較してみました。しかも日本に初入荷! それぞれ個性が豊かなので、色々なTPOで活躍しそうです。「寿司」との相性研究もしてみましたよ。
クレマンの嬉しいところは、まず価格が手頃なところ。今回の3種類はどれも参考小売価格が2,700円(本体価格)なのです。このぐらいの価格帯だと、ちょうど高すぎず、でも土地の個性が如実にワインに現れてきますから、ワイン好きの人にとっては選ぶのが楽しいレンジではないでしょうか。
そして、フランスの各地方ならではの土地や品種の個性が出てくるので、ワインの表情に合わせて使い分けができるという点が面白いポイントです。
ジュラというワイン産地がどこにあるのかわからなくても、素直に美味しく飲めるクレマンです。そもそもジュラ地方のワインは日本にあまり入荷していないので、イメージを持っていない方が多いでしょうし、反対にジュラのワイン好きの方にとっては特殊な魅力ある産地だと思います。
でも、この「クレマン・デュ・ジュラ ブリュット・プレステージN.V.」は、お馴染みのシャルドネだけで造られている、フレッシュで上品なタイプなのでどなたでも親しみやすいと思います。白い花やリンゴ、洋梨といってピュアでフレッシュな香り、そしてなめらか且つみずみずしさを備え、ハツラツとしています。
単体でアペリティフに飲むのもよさそうですが、白身魚や生牡蠣、あるいはシラウオのかき揚げも美味しそうです。でも今回は、一般的な握り寿司セットで試してみました。
白身魚
帆立貝
中トロ
このあたりが、醤油ではなく塩をちょっぴりつけて食べると、とてもよい落ち着いた相性になります(お醤油だとワインの繊細さを覆ってしまいます)。
「クレマン・ド・ブルゴーニュ ブリュット2011」は、ヴィンテージが記してありますがスターンダードのクラスで、ブリュットと記してありますがエクストラ・ブリュットと名乗ってもよい辛口仕上げです。ブドウ品種はピノ・ノワールが60%で、残りがシャルドネ。
ピノ・ノワールが多い分、香りがふっくらとしてアプリコットや熟したリンゴ、柑橘類、それに香ばしさも感じられます。まろやかでドライな味わいなので、応用範囲がとても広そうです。天ぷらならばエビや蟹、魚介のパスタや鶏肉、豚肉までカバーできるに違いありません。
今回のお寿司では、
蟹
帆立
このレンジが、クレマンの味わいのトーンと似ていてとてもよい相性です。少量つけるぐらいなら、繊細な醤油味でも問題ありません。
クレマン・ド・ブルゴーニュでもブドウ品種の構成で随分印象が変わりますね。ここはロゼのクレマンもありますが、ピノ・ノワール100%です。ピノ好きの方々にお薦めですね。
「クレマン・ダルザス ブリュット N.V.」は、アルザスらしく複数品種のブレンドで、その分、香りに複雑性が出てきます。ブドウ品種は、ピノ・ブラン、ピノ・オーセロワが各40%で、リースリング20%です。
上品で立ちのぼるフレッシュな香りには、煮詰めたリンゴや香ばしさも感じられ、なめらかでとても落ち着きのある、穏やかな味わいです。ブドウがとてもよく熟しているようすが手に取るようにわかります。
真っ白なラベルでアロマティックな香りもするので、女子会にもお薦めしたいと思いますが、落ち着いた味わいなので、意外にほんのり醤油系によく合いました。
海老+醤油
蟹+醤油
中トロ+塩 or 醤油
何を飲もうか困った時にはクレマン! きっとたくさん楽しみ方が見つかります。
(輸入元:すべて ラック・コーポレーション)
ジュラ/ドメーヌ・グラン ブルゴーニュ/ドミニク・クリュイエ アルザスドメーヌ・グリュス
(text & photo by Yasuko Nagoshi)
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