ワインと料理

昨年7月、お会いしたシャンパンの醸造家から伺った話に「シャンパンと塩気について」がありました。

それ以来、ずっと塩について悶々としています。

 

今まで何も考えないで普通に塩をいろいろ使っていました。

意識してからそもそも「塩気」とはなんなのか。

吟味するようになっています。

 

よく素材が甘い、という表現を耳にしますが、そもそも甘い、ってなんなのか。

これもまた難しい。

人の味覚では酸み、苦み、辛み、旨み、甘み、塩気、の5つが大枠であります。

表現の仕方はさまざまあれど、どの味覚も素材に対しての表現の言葉、というものがあると思うのです。

その中で甘みだけは、甘み、とひとくくりにされているような気がして。

一般論として甘み、というのはどういうことをイメージしているのかなぁ…

素材のもつ甘み、という表現ってどういう印象を与えるのかしら。

とっても悩む言葉だと今更ながら感じています。

塩/縦

ということからの塩気。

 

いろいろ料理を作るという実験をしていると

その素材が求めている塩気、というものがあるような気がしています。

なので一概にこれで、とひとつに決められない。

調理する工程で使用するもの、最初の仕込みで使用するもの、

テーブルに並べるもの…

同じもので統一することで売れる共通項。

順番に合わせて変化していくという面白さ。

どちらが良い、ということでもないですよね。

ただ調理する工程のものはとてもエレガントに感じます。

素材に塩気が入りやすい、というのもあるのかしら。熱を使っているし。

私が一番わかりやすいのはパスタを茹でる時。

塩を入れ忘れると小麦粉の味が全面に出てきて、逆に小麦粉の美味しさというか味がリアルに伝わってくる。

いつも美味しいと思っていたパスタが素だとこんな味なのか…?

一方、

入れすぎるとソースと合わせた時、塩気が最初に表れてくる。

うかうかしてられません。

塩梅って言葉、大事だな、と思います。

 

こんなにも塩気で悩んでいる自分はどうかしている、と思います(笑)。

ただわかったこと。

2年前、博多にてフードファイティング並みに1日で10軒ほどロケハンした際、そこまで感じなかった塩気が先週の博多入りではきつかった。3軒でギブ。

こんなにも塩気がある食べ物が多いのかしら…?

なんで今まで感じなかったのかな…言いたくないけれど歳のせいか?

食の好みは変わったと思わないけれど、でも何かが変わったのかしら…

足がむくんできたのはそういうこと…?

ますます悩ましい、塩気。

 

これはまずシャンパンと塩、で少しだけ実験してみたくなります。

そもそもこのテーマを勉強する気になったのはこのメゾンの情報だから。

 

(モエの写真)

 

なんだかんだ言って、世界でここまで需要があって美味しさを伝えられる、ということは、とどのつまり、バランスの良さなんだろうな、と思っています。

スパイスの効いたもの、甘さのあるもの、日本のようなウマミを全面にだしているもの、ステーキ、イタリアン、チャイニーズ、などなど

どのようなメニューとでも、その良さを引き立てる、寄り添う、リセットしてくれる、本当に器用に飲み手を楽しませてくれるのです。

フードマッチングという面白さから、このメゾンは素材が持つ味わいの要素へ、テーマを持ち始めているのか。

ワイン好き、シャンパンに興味のある方であれば、この少しニッチともいえる世界観はとても面白いと思います。

 

今宵は塩とシャンパン。

試してみたいですね。

ともにボリューム感が出てくるのか、塩だけではキツイのか、素材と合わせてみたほうがよいのか。

改めて実験報告したいと思います。

(text & photo by Satoko Fujisaki)

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