藤崎さとこの妄想!ワインと料理のマッチング 第8回 〜塩気ってなんだろう〜
02/17
昨年7月、お会いしたシャンパンの醸造家から伺った話に「シャンパンと塩気について」がありました。
それ以来、ずっと塩について悶々としています。
今まで何も考えないで普通に塩をいろいろ使っていました。
意識してからそもそも「塩気」とはなんなのか。
吟味するようになっています。
よく素材が甘い、という表現を耳にしますが、そもそも甘い、ってなんなのか。
これもまた難しい。
人の味覚では酸み、苦み、辛み、旨み、甘み、塩気、の5つが大枠であります。
表現の仕方はさまざまあれど、どの味覚も素材に対しての表現の言葉、というものがあると思うのです。
その中で甘みだけは、甘み、とひとくくりにされているような気がして。
一般論として甘み、というのはどういうことをイメージしているのかなぁ…
素材のもつ甘み、という表現ってどういう印象を与えるのかしら。
とっても悩む言葉だと今更ながら感じています。
ということからの塩気。
いろいろ料理を作るという実験をしていると
その素材が求めている塩気、というものがあるような気がしています。
なので一概にこれで、とひとつに決められない。
調理する工程で使用するもの、最初の仕込みで使用するもの、
テーブルに並べるもの…
同じもので統一することで売れる共通項。
順番に合わせて変化していくという面白さ。
どちらが良い、ということでもないですよね。
ただ調理する工程のものはとてもエレガントに感じます。
素材に塩気が入りやすい、というのもあるのかしら。熱を使っているし。
私が一番わかりやすいのはパスタを茹でる時。
塩を入れ忘れると小麦粉の味が全面に出てきて、逆に小麦粉の美味しさというか味がリアルに伝わってくる。
いつも美味しいと思っていたパスタが素だとこんな味なのか…?
一方、
入れすぎるとソースと合わせた時、塩気が最初に表れてくる。
うかうかしてられません。
塩梅って言葉、大事だな、と思います。
こんなにも塩気で悩んでいる自分はどうかしている、と思います(笑)。
ただわかったこと。
2年前、博多にてフードファイティング並みに1日で10軒ほどロケハンした際、そこまで感じなかった塩気が先週の博多入りではきつかった。3軒でギブ。
こんなにも塩気がある食べ物が多いのかしら…?
なんで今まで感じなかったのかな…言いたくないけれど歳のせいか?
食の好みは変わったと思わないけれど、でも何かが変わったのかしら…
足がむくんできたのはそういうこと…?
ますます悩ましい、塩気。
これはまずシャンパンと塩、で少しだけ実験してみたくなります。
そもそもこのテーマを勉強する気になったのはこのメゾンの情報だから。
(モエの写真)
なんだかんだ言って、世界でここまで需要があって美味しさを伝えられる、ということは、とどのつまり、バランスの良さなんだろうな、と思っています。
スパイスの効いたもの、甘さのあるもの、日本のようなウマミを全面にだしているもの、ステーキ、イタリアン、チャイニーズ、などなど
どのようなメニューとでも、その良さを引き立てる、寄り添う、リセットしてくれる、本当に器用に飲み手を楽しませてくれるのです。
フードマッチングという面白さから、このメゾンは素材が持つ味わいの要素へ、テーマを持ち始めているのか。
ワイン好き、シャンパンに興味のある方であれば、この少しニッチともいえる世界観はとても面白いと思います。
今宵は塩とシャンパン。
試してみたいですね。
ともにボリューム感が出てくるのか、塩だけではキツイのか、素材と合わせてみたほうがよいのか。
改めて実験報告したいと思います。
(text & photo by Satoko Fujisaki)
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