ワイン&造り手の話

ミレイア

<アルタ・アレーリャ>

“AA” と描かれたラベルが目を惹きます。バルセロナ近郊に、自然保護地区に指定されたアレーリャという場所があります。海から2キロという立地で、避暑地として知られているようです。その高台に1991年から畑の開墾を始め、2001年からワイン造りを始めたのがアルタ・アレーリャです。オーナーのホセ・マリア・プホル氏の長女、ミレイアさんが来日しました。

 

60ヘクタールの自社畑には、16種類ほどのブドウ品種を栽培しているようです。有機栽培を実践して、スパークリングワインのカバを主体に、スティルワインも造っています。

 

たくさんのアイテムを造っています。

たくさんのアイテムを造っています。

<チャレッロ>

カバは、伝統的にはマカベオ,チャレッロ、パレリャーダという地元品種3種類をブレンドして造ることが多いのですが、時々チャレッロ100%のものに出会います。アルタ・アレーリャでも造っていました。

 

自然に敬意を表して野鳥のラベル。

自然に敬意を表して野鳥のラベル。

「ブルエル ブリュット・ナチューレ 2012」(3,800円/本体価格)

最後の糖分調整、ドザージュをまったくしていないといいますが、とてもふくよかでソフトです。完熟したブドウを使っているのだという印象を受けました。それに加えて、チャレッロらしい酸やミネラルも感じられます。熟したリンゴや白桃、柑橘類のピールといったニュアンスもあります。

このカバは亜硫酸を一切加えていないといいます。理由を聞くと「10年前から栽培でも有機を行っているので、醸造過程でもなるべく加えるものを少なくしたい、という考えから」。ただ、これを実践するには多くの配慮を施さなければならないと言っていました。

 

そして、スティルワインにはチャレッロ主体のものがありました。

こちらはチャレッロ主体のスティルワイン。

こちらはチャレッロ主体のスティルワイン。

「AA ラニウス 2012」(4,200円/本体価格)

チャレッロ80%に、シャルドネをブレンドです。とてもピュアで、ハリがある白ワインです。ほんのりとしたバニラやトーストに、リンゴや洋梨などの熟した果実の香りが加わります。なめらかで、ボリューム感もあり、とてもきれいな酸も備えた、とてもバランスよい味わいです。この日に試飲した中で一押しワインがこれでした!

 

ワインの解説者として参加された「サン・パウ東京」のシェフ・ソムリエ菊池貴行さんは、こんなコメントをされていました。

「スペインの白ワインは最近樽熟成をするものが増え、樽の影響が強いものが多くなってきています。そういうタイプは料理も食べてしまうような感じです。でも、これはとてもナチュラルで、スペイン料理はもちろん、和食にも合う綺麗な酸をもっています」。

ということで、菊池さんからもお墨付き。

 

<カバに新カテゴリー?>

ところで、カバの規定で、グラン・レセルバより上級のカテゴリーが今春認められるらしい、という前情報がありました。イギリスの専門誌がウエッブ上のニュースで出していた内容によると

“Cava del Paraje Calificado” (Qualified Single Estate Cava)

という名称になるのではないか、ということです。

収穫量や瓶熟成期間などのしばりがグラン・レセルバよりも厳しく、ブドウはすべて自社畑のものではなければならない、ということになりそうです。

 

この件について、ミレイアさんにも聞いてみました。

「まだ公式には書面になっていないけれど、既にそういう議論はされてきました。よい方向だと思います。うちでも上級のキュヴェは、既にグラン・レセルバの規定以上の品質になっているので、この規定が有効になったら申請したいと思っています」。

ジュエリーデザイナーによるデザインだというこのボトルは、上級品のカバです。スパークリングでこういうボトルは初めて見ました。このミルジンは新カテゴリーに申請されるのかもしれませんね。

ジュエリーデザイナーによるデザインだというこのボトルは、上級品のカバです。スパークリングでこういうボトルは初めて見ました。このミルジンは新カテゴリーに申請されるのかもしれませんね。

 

カバ全体として、世界のスパークリングワインの中で「カバ=安値のスパークリングワイン」という位置づけになっていることに対して、イメージアップを計りたい、という考えもあるに違いありません。それに加えて、大手はもちろんのこと、小さな家族経営の生産者が自社畑から丹念に造り上げた上級キュヴェを、特別なカテゴリーとして区別するためだと思われます。

発表されて、どこのどんな銘柄がエントリーするのか、楽しみですね。

(輸入元:ラヴニール)

(tex t & photo by Yasuko Nagoshi)

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