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2015-02-20 07.39.07

毎年2月半ばに、トスカーナ地方のワイン生産者組合が主催する試飲会があり、参加しています。その中で、モンタルチーノで行われるのは「ベンヴェヌート・ブルネッロ」、Welcome to Brunelloということでしょうか。ここで得た最新情報を少々お伝えしましょう。

 

モンタルチーノでは、その年の1月1日からリリースが開始できるヴィンテージのワインをたくさん試飲できます。今年は、ノーマルのブルネッロ・ディ・モンタルチーノの2010年、リゼルヴァの2009年、ロッソ・ディ・モンタルチーノの2013年が出ていました。ただ、1日半という時間内で試飲できる数を考えて、焦点を2010年のノーマルに当てることにしました。だって、それだけでも130以上の銘柄があるのですから。それに、2010年は前評判が素晴らしいので!

 

<2014年の出来は?>

2014年ヴィンテージの記念タイル。

2014年ヴィンテージの記念タイル。

そして、このイベントの最中に前年のヴィンテージについて公式評価を発表するというのも恒例です。5つが満点の星の数とともに、アーティストや著名人によって特別にデザインされたタイルが、建物の壁に埋め込まれる、という儀式もあります。

昨年2014年は「3つ星」評価でした。3つ星というのは2000年以来です。ちょっと低めですね。それというのも、夏が涼しく雨が多かったからなのです。

 

公式コメントはこのような内容でした。

「まるで70年代後半から80年代はじめの頃にもどったようで、収穫時期が9月末から10月下旬までにわたった。ただ、良質の酸が維持できたことと、ブドウの成熟がゆっくりと進んだことについては肯定的に見ている」。

サンジョヴェーゼのエキスパートとして知られるパオロ・ヴァガッジーニ氏曰く「精細で注意深く健全なブドウを選抜することが不可欠なヴィンテージだった。しかし、そうできた造り手はよい結果が得られた。醸造においても、優しくデリケイトな抽出がとても重要となった。2014年は間違いなくエレガントで、支配的ではないがバランスがよいヴィンテージだ。それほど長期熟成に向いているとは思わないが、多くの造り手にとって、また別の面白い年になるだろう」。

 

この内容から想像すると、実際に市場に出てくるのは4年後以降ですから、既にその頃には飲み頃に入っているものが多いだろうとの予測がつきます。

 

<5つ星の2010年は、いかに?>

さて、公式評価5つ星だった2010年は注目の的です。

ベンヴェヌートが開催されるより前に、一足早く試飲したというアメリカとイギリスのジャーナリストが「何を飲んでも素晴らしい」と褒めちぎる記事を既に書いていました。だから、当然期待値が高まっていました。

 

ただ、実際に出品された130余りのアイテムを試飲していくと……、何度か首をかしげることも。つまり、残念ながら「何を飲んでも……」というわけにはいきませんでした。まあ、考えてみれば当たり前かもしれません。今や200ほどもあるモンタルチーノの造り手は、規模も経験値も畑の立地条件もさまざまです。結局、おしなべてよいわけではありませんでした。

 

20010年は五つ星(右)、2009年は四つ星(左)でした!

20010年は五つ星(右)、2009年は四つ星(左)でした!

ちなみに、2011年のベンヴェヌートの時に発表された公式見解は、こんなことでした。

「春から低温多雨で成育が送れ、開花時点で収穫量の10%ダウンは確実となり、病気への心配も広がった。しかし、夏は晴天が続き、バランスよく成熟が進み、収穫は例年より1ないし2週間遅くなったが、すべての要素が稀なほど高いレベルで揃った偉大な年となった」。

 

実際に何名かの造り手さんにも、感想を聞いてみました。

「雨の影響が思ったよりも大きく、標高が高く水はけのよい土壌一帯では素晴らしい結果が出ている」。

「暑くはなく、基本的にはクラシックな年で、色もあり酸も適度だった。まだ飲み頃には達していないと思う」。

「量は多くないが、品質は充分。長期熟成型」

 

やはりどこでも素晴らしい結果だとも言いきれないし、畑の場所によるだろう、という意見が多勢でした。ともあれ、平均以上に期待できる年であることには間違いないので、(それに、日本に輸入されている銘柄は品質が高いものが多いので)入荷を楽しみにしていただきたいと思います!

 

201503brunello2014年の3つ星タイルは、スローフードの創設者カルロ・ペトリーニ氏によるデザインです。このいくつもの丸が、さまざまな生物の共存を示しているようです。トレードマークのカタツムリもいますね。赤い色は、ブルネッロのワイン・レッドでしょうか。

(tex t & photo by Yasuko Nagoshi)

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