おしゃれに飲む

日本で熟成したシャンパーニュを楽しむようになり始めたのは、20年ほど前からでしょうか。それまでシャンパーニュは、出荷される時に既に飲み頃なのですぐに飲んだほうがよい、というのが常識でした。「ボランジェ」が敢えて遅くリリースする「R.D.」や、とても長い期間瓶熟成をさせることで知られる「サロン」は特別な存在でした。これらとは別に、以前リリースしたキュヴェをもう一度振り返って出す、というのは「ドン ペリニヨン」の「エノテーク」が最初のように思います。

 

先日、数量限定で輸入された「ペリエ ジュエ ベル エポック1999」の味見ができたので、ちょっとご報告を。

 

グラスに注いだ時点で、黄金色をしていること、香りがとても華やかなことが一瞬にしてわかり、とてもワクワクしました。

トーストやローストしたナッツ、柑橘類のピールやアプリコット、タルトタタンのような甘くて香ばしいリンゴのタルトなどの香りが華やぎます。複雑で、厚みがあり、ふっくらとした香りは、何とも魅力的でした。

味わいもふくよかです。優しいタッチで、リッチで、どちらかといえば肉付きのよい印象です。泡は、はんなりとしたニュアンスで、とても細やかです。

熟成したシャンパーニュならではの、複雑性と旨みの響宴、といったところでしょうか。

 

1999年は、夏の気温が高かったこともあり、豊かでボディーのしっかりしたタイプのキュヴェが多い年です。通常、ピュアで上品なイメージの強い ベル エポック ですが、熟成感だけでなくヴィンテージの影響も加わっているとわかります。まだ果実感や力があるので、丁寧に保管さえすればさらに熟成できそうです。

 

香りも味わいもとても豊かなので、あまり温度を低くしすぎないで白ワイン的に飲んでみるのもよさそうです。最初は冷やしておいて、その後は徐々に温度が上がりながら変化する様子を楽しむ。そして、お料理はオマール海老や蟹といった甲殻類を香ばしく仕上げたものや、仔牛肉のカツレツ、あるいはシンプルな調理の牛赤身肉でもよいかもしれません。熟成期間が長いコンテもいいですね。素材の味わいがしっかりとしたものが合いそうです。

1999年に何か思い出がある、あるいは記念の年という方には、特にお薦めですね。

(単体では購入できませんが Vogue Shopping で、豪華なセットに組み込まれています。ご興味ある方はご覧下さい。)

(tex t & photo by Yasuko Nagoshi)

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