ワイン&造り手の話

バラを思い起こさせる、アロマティックな赤とロゼ。

「サンタ・ルチア」といえばイタリアの民謡 ♪サンタ〜ルチ〜ア〜♪サンタ〜ルチ〜ア〜♪ を思い出す方も多いと思います。思わずサビの部分を口ずさんでしまいそうですが、今回は別の「サンタ・ルチア」のお話。イタリアのマルケ州は長靴の膝裏あたりになります。州都でもある港町アンコーナが有名でしょうか。北端には「ウルビーノ歴史地区」が世界遺産に登録されています。この州のサンタ・ルチア・ディ・モンテ・サン・ヴィートという場所にワイナリー「ポデーレ・サンタ・ルチア」を立ち上げた2人の男性がいます。彼らの目的は、この地の伝統品種ラクリマ・ネラにもう一度、日の目を見させることでした。

アルフォンソ・バルドゥッチとピエトロ・カッチアーニは2005年にワイナリーを設立し、合計6ヘクタールの畑では主にラクリマ・ネラを栽培しています。「ラクリマ」という言葉、どこかで聞いたことあるような? イタリア語で「涙」という意味の言葉で、ワインでは他に「ラクリマ・クリスティ(キリストの涙)」にも使われています。つまり、ラクリマ・ネラとは黒い涙。ということです。一昔前ならば、えっ!マスカラが落ちて黒い涙? と想像してしまうかもしれませんが、もちろんそうではありません。

来日したステファノ・バルドゥッチ氏。

来日したステファノ・バルドゥッチ氏。

「ラクリマ・ネラは、果皮の色は濃いのですが厚さが薄いので、ブドウが熟してくると果皮が自然に破れて果汁がちょっとにじみ出てくるのです。昔はこの『黒い涙』が収穫開始の合図でした」と、当主の息子のステファノ・バルドゥッチ氏。今の考え方ではそれでは遅く衛生状態もよくないので、きちんと糖分と酸度を分析して収穫期を決めます。すべて丁寧に手摘みして、醸造に入る前に更に「粒」選りもするそうです。

さて、このロマンチックな名前? のブドウから造られるワインもまた、印象的です。ロゼは、フローラルでフルーティーで、少し梅ににたニュアンスがあり、爽やかで食欲をそそります。普段の家庭料理から、もちろんパスタや魚介類全般にもいけそうです。

赤のほうがより品種の個性が出ています。赤では珍しくアロマティックなのです。バラの花とベリー・ミックスを混ぜたような香り。そして味わいはなめらかでフレッシュで、タンニン分はそれほど強くないので、ブイヤベースのような魚介料理から、リエットのような豚肉加工品、もちろん赤身肉にもお薦めします。案外、鮭や豚の味噌漬けも合うかもしれませんね。

どちらも幅広いお料理と合わせやすく、食卓に「花」が咲くのではないでしょうか。

<オマケ>

ラベルに使われている女性の横顔のロゴは、16世紀に活躍した画家ロレンツォ・ロッタLorenzo Lotta の「聖ルーシー(サンタ・ルチア)の祭壇背後の飾り絵 Pala di Santa Lucia」からイメージを得ているようです。

ラベルには聖ルチアの横顔が。

ラベルには聖ルチアの横顔が。

カテゴリー
ワイン名 ラクリマ・ディ・モッロ・ダルバDOC    Lacrima di Morro d’Alba DOC
生産者名 ポデーレ・サンタ・ルチア Podere Santa Lucia
生産年 2008
産地 イタリア/マルケ州/サンタ・ルチア・ディ・モンテ・サン・ヴィート
主要ブドウ品種 ラクリマ・ネラ100%
希望小売価格 3,200円
輸入元/販売店 アビコ
カテゴリー ロゼ
ワイン名 マルケ・ロザートIGT    Marche Rosato IGT
生産者名 ポデーレ・サンタ・ルチア Podere Santa Lucia
生産年 2010
産地 イタリア/マルケ州/サンタ・ルチア・ディ・モンテ・サン・ヴィート
主要ブドウ品種 ラクリマ・ネラ100%
希望小売価格 2,800円
輸入元/販売店 アビコ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Related Article