美味しい生活

ラベルをテープで貼付けているという、なんとも素朴なチーズです。

ラベルをテープで貼付けているという、なんとも素朴なチーズです。

今年が羊年だから、というわけではありませんが、羊乳でつくられるチーズ「ペコリーノ・トスカーノ」をご紹介します! 特にピエンツァという村のペコリーノが有名です。ちょうどモンテプルチャーノとモンタルチーノとの間にある世界遺産、ヴァル・ドルチャにある小さな村です。

 

トスカーナ地方にいる間に食べるチーズは、ほとんど「ペコリーノ・トスカーノ」です。羊乳からつくられるチーズで、フレスコと呼ばれる真っ白なフレッシュタイプから、3ヶ月熟成のスタジオナート、半年以上熟成のオーロ・アンティコまであります。熟成が長くなればなるほど色が黄色っぽくなり、凝縮した味わいになります。

 

山羊乳のチーズと似ているかと思いきや、酸味やクセはなくさっぱりとした味わいです。それにあまり塩分も多くないので(ローマ産のペコリーノ・ロマーノは塩気が強いようです)、とても食べやすいと思います。そう、羊のことを「ペコラ」というから「ペコリーノ」という名前なのだそうですよ。日本人にとっては、ちょっと可愛らしい耳障りですね。

 

ペコリーノ・トスカーノは、ちゃんと原産地呼称のDOPに認定されているのですが、中でもピエンツァ村のものが最も有名です。

トスカーナのワインを1週間試飲して回るツアーでは、毎年キャンティ・クラッシコの試飲をフィレンツェで、ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチャーノの試飲をモンテプルチャーノで、そして最後にブルネッロ・ディ・モンタルチーノの試飲をモンタルチーノで行います。モンタルチーノのシエナ近くにある丘です。

モンテプルチャーノのからモンタルチーノへ移動する時に通り過ぎるのがヴァル・ドルチャ、オルチャ渓谷で、その間にピエンツァの村がぽつんとあります。車からチーズ屋さんの建物をいくつも見るのですが、毎度時間に追われての移動のため、残念ながら直売ショップに立寄れたことはいまだにありません。

 

ただ、今回はモンタルチーノの食品店でペコリーノ・ピエンツァを見つけたので手を伸ばしてみました。プレーンのものから黒胡椒入り、赤胡椒入りなどいくつかありましたが、黒トリュフ入りを! チーズそのものにも、トリュフの香りがほんのりと移っていてちょっと贅沢な気分です♪

 

現地では、そのままカットされてお皿に盛られているケースが多いのですが、サラダのトッピングに使われていることもありました。ほどよいアクセントになります。パスタに乗せても美味しそうです。あるいは、スライスしてとろりと蜂蜜がかけられていることもありました。

そういえば、モンタルチーノ周辺では蜂蜜も名産なのだそうです。日本をはじめ各国では、ミツバチがいなくなったという悲しい話を頻繁に聞きますが、トスカーナではまったく問題ないようです。たっぷりと健全な自然が残っている、ということでしょうか。いくつかのワイナリーで、養蜂目的ではなくて、よりよい生態系を保つためにミツバチの巣箱をブドウ畑に設置しているところもあるようですよ。

 

このトリュフ入りペコリーノ・ピエンツァはスタジオーネぐらいの熟成のようです。結構ポロポロと崩れたので、スライスではなくそのままサラダにトッピングしました。少量のドレッシングで充分美味しい一皿になります。あるいはイタリア式に、自分で塩、ヴィネガー、オリーブオイルをかけるのもよいですね。

このトリュフ入りペコリーノ・ピエンツァはスタジオーネぐらいの熟成のようです。結構ポロポロと崩れたので、スライスではなくそのままサラダにトッピングしました。少量のドレッシングで充分美味しい一皿になります。あるいはイタリア式に、自分で塩、ヴィネガー、オリーブオイルをかけるのもよいですね。

フレッシュなタイプなら白ワインのお伴でもよいですし、少し熟成したスタジジオナートであれば、キャンティやキャンティ・クラッシコの軽快なタイプ、あるいはフルーティーなタイプのロッソ・ディ・モンテプルチャーノやロッソ・ディ・モンタルチーノにもよく合います。より熟成が進んだオーロ・アンティコなら、よりしっかりとした赤ワインとアテとして活躍するはずです。見つけたら、是非試してみてください!

(tex t & photo by Yasuko Nagoshi)

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