ワインと料理

Point: 爽やかさと香りを合わせる

スーパーマーケットの棚に春らしい野菜がたくさん並んでいます。野菜と楽しめるワインといえば、いくつか思い浮かびますが、ロワール地方のサンセールもそのひとつです。ラ・レンヌ・ブランシュ、白い王妃という名前がぴったりの清々しい白ワインと、季節のふきを合わせてみました。

 

ワインの味見をしてみると、フレッシュで涼しげな香りがします。新緑や若葉を思わせる清々しさに加えて、カボス、グレープフルーツ、ライムのような柑橘類、そしてまだ堅い白桃やリンゴ、ほんのりとハチミツも香ります。

味わいは、なめらかなアタックで、酸は塩レモン的なフレッシュさ。みずみずしくハツラツとした、キリッと引き締まった味わいです。

ふきサラダ

そこで、煮付けにすることが多いフキですが、このサンセールの清々しさに合わせてサラダ仕立てにしてはどうかと考えました。柑橘系の香りも添えたいので、ドレッシングはグレープフルーツを使って。おまけに、ちょうど今よく見かけるウルイも混ぜてみます。

 

フキとウルイのシャキシャキ感、フキのほろ苦さ、グレープフルーツの酸とほんのりした甘味とほろ苦さ。こういったところが、サンセールのシャキッと引き締まった味わいや香り、ほどよい酸味や塩っぽさと、ちょうどよいハーモニーを奏でます。ワインも野菜も生き生きとして、それぞれの素材の味わいを引き立てあうような効果がありました。

春らしい、ヘルシー・コンビだと思います!

 

フキの下ごしらえはちょっと手間かもしれませんが、今の季節の楽しみですから、「白い王妃」と共に楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

<付記>

ジャン・ルヴェルディ・エ・フィス」は、遅くとも17世紀半ばからこのサンセールの地でブドウ栽培をしていた一族です。ワイン造りを本格的に始めたのは1950年代で、12ヘクタールに15区画の畑を所有しているといいます。

サンセールには、4種類の土壌があります。ルヴェルディ家が所有する畑はそのうち3種類のシレックス、カイヨット、テール・ブランシュにあり、この白ワインには3種類の土壌で育ったブドウがブレンドされています。それぞれの特徴を併せ持つ、バランスのよい仕上がりになっています。

サンセールの土壌や近年のソーヴィニヨン・ブランについて、より詳しく知りたい方は専門誌に書いた記事をご覧下さい。

(text & photo by Yasuko Nagoshi)

ラベル カテゴリー 白ワイン
ワイン名 サンセール ラ・レンヌ・ブランシュSancerre La Reine Blanche
生産者名 ジャン・ルヴェルディ・エ・フィス Jean Reverdy et Fils
生産年 2012
産地 フランス/ロワール
主要ブドウ品種 ソーヴィニヨン・ブラン
希望小売価格 3,300円(税別)
輸入元/販売店 ラック・コーポレーション
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