池田美樹のおしゃれとワインのいい関係 〜ローズウォーターで、華やかなバラの香りと成分を体内に〜
05/25
バラの花が美しく咲き誇る季節です。先日訪れた場所で、ウェルカムドリンクとして、スパークリングウォーターにハッとするほどの麗しいバラの香りがついた飲みものをいただき、驚きました。
バラは華麗な姿もそうですが、香りが大きな魅力。別の場所で書いたコラム「バラの季節、その香りの効用」でも触れましたが、女性の9割はバラの香りを好む、という調査結果があります。
その香りを「飲む」という経験がとても新鮮だったのです。ウェルカムドリンクは、スパークリングウォーターにローズウォーターを加えたものでした。ローズウォーター、ってあまり見かけたことがない気がします。
聞くと、古くからイスラム文化圏ではローズウォーターを使う歴史があり、飲むだけではなく、現在も、お客様をもてなす時に、花びらやローズウォーターをその人に向かってふりまく、という習慣が続いているのだとか。バラの香りは邪気を払う、とされているからだそうです。
このローズウォーター、単に水に香りをつけたものではなく、バラの花弁を天然水とともに大釜に入れて蒸し、水蒸気を集めて冷やす”水蒸気蒸留法”でつくられたもの。ゆえに、香りだけではなく、バラに含まれる成分が凝縮されているので、古代医療では治療薬として使われてきた歴史もあるのだそう。
たとえば、心身のヒーリングのほか、化粧水、皮膚や胃腸の疾患、鎮静剤、喉の腫れや痛み、疲労の軽減、女性疾患の治療などに使っていた、と伝えられているそうです。
現代でも、ローズウォーターの主要成分であるフェネチルアルコールには実験で鎮静・抗不安作用が認められており、ストレス緩和にいい、ということは言って良さそうです。私が以前滞在したモロッコの小さなホテルでは、寝る前になると、ベッドサイドにローズウォーターを加えたミルクが置かれていました。
その場にいた飲んべえの女性達から出たのは「スパークリングウォーターに入れるとおいしいことはわかった。じゃあほかのお酒は?」という疑問でした。さすが、考えることは同じです(笑)
答えは、焼酎、辛口の日本酒、ジンには合う、ということでした。日本酒の某酒蔵さんでは、ローズウォーターを入れた飲み方を提案することを検討中だとか。しかし、香りが強いので、残念ながらワインやシャンパーニュはあまり合わないようです。
とはいうものの、つい先日、試飲会で、ローズオイルとローズウォーターをブレンドしたブルガリアローズワインというものを見つけてしまいました…!
ブルガリアの固有ブドウ品種であるマヴルッドを使ったロゼに、ごく少量のローズオイルとローズウォーターを加えたもの、と説明を受けて、ひとくちいただいてみると、ほんのり甘いロゼを飲んだ瞬間に広がるバラの華やかな香り。なるほど…とは思いましたが、果たしてワインとして美味かどうかはまた別の話なのかもしれません。
お酒に合わせることばかり考えていましたが、ローズウォーターは料理にも使うことができるようで、いくつか試作の料理もいただいてみました。ジュレにしたり、サラダに使ったりバターソースに使うなど、ほんのりバラの香る料理はどれも女心をくすぐる! このローズウォーターを使ったランチコースが、Fish Bank Tokyoで、6月1日〜7月末までの予定でいただけるそうです(要予約とのこと)。
さて、古代医療で言い伝えられてきたローズウォーターの効能に「二日酔いの軽減」とあるのを私は見逃しませんでした。次回はそれに頼ってしまう…かもしれません。
(text & photo by Miki Ikeda)
カテゴリー | ドリンク | |
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商品名 | 飲む無添加ローズウォーター | |
生産者名 | ヴァレデローズ | |
容量 | 60ml/500ml | |
産地 | イラン | |
原材料 | ダマスクバラ花弁 | |
希望小売価格 | 60ml 1,080円/500ml 3,996円 |
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