ニュージーランドでワインを造る日本男児、岡田岳樹! 〜マールボロのフォリウム〜
07/12
ニュージーランドは、人の数より羊の数のほうが多い、とか? いずれにしても美しい自然が豊かにある国です。だからでしょうか。ニュージーランドを訪問する際には「気をつけた方がいいよ」と言われます。その理由は「帰ってきたくなくなるから」と。ニュージーランドでワイン造りを始めた日本男児のうちの一人、岡田さんもその一人かもしれませんね。
東京生まれという岡田岳樹さんは、ワイン造りを志して北海道で農学を、カリフォルニアのデイヴィス校でワインの栽培・醸造学を修得。その後、ニュージーランドの南島の北橋、マールボロ地区へ向かいました。ここはニュージーランドの象徴的な白ワイン、ソーヴィニヨン・ブランの産地としても知られています。そして岡田さんはまず、「クロ・アンリ」に勤務。同じソーヴィニヨン・ブランという品種をフランスのサンセール地区で長年造り続けてきた大御所「アンリ・ブルジョワ」が手がけるワイナリーです。その後6年間務めてから、とうとう独立することにしたのです。
マールボロ地区のワインには、ソーヴィニヨン・ブランの白はパイナップルやマンゴーのようなとてもよく熟したトロピカル系のフルーツの香りがするものが多かったり、ピノ・ノワールの赤の場合はイチゴジャムを思わせる甘い香りのするものが多かったり。でも、岡田さんが造る「フォリウム」の場合、「ソーヴィニヨン・ブラン」「ソーヴィニヨン・ブラン リザーヴ」「ピノ・ノワール」「ピノ・ノワール リザーヴ」の4銘柄すべてにおいて、ちょっとタイプが異なります。とても上品なワインだからです。
「もし誘いがあれば、いつでも(フランスの)ブルゴーニュへ行ってワイン造りをしますよ」と、まったくのジョークとは思えない発言をするほどブルゴーニュを敬愛しているからでしょう。エレガントなタイプのワインが好みで、自分のワイン造りもその方向へ進めているようです。例えば、ソーヴィニヨン・ブランならば鶏肉のサラダ、ピノ・ノワールなら鮭の照り焼きや豚しゃぶの胡麻ダレといった料理が食べたくなる味わい。
2010年に同じマールボロ地区の有名なワイナリー「フロム」から少し畑を売ってもらい、2011年ヴィンテージからワインを造り始めた岡田さん。順調にいくかと思いきや、2年目の2012年は「夏が来なかった」年で、開花もうまくいかず「収穫量35%以上減」だと、困難もはだかりながら、何より2012年はその分「素晴らしい品質のワインができた」のが救いだったようです。
そういえば、来日? いえ、帰国でしょうか? 6月に日本で新しい2012年ヴィンテージのお披露目をした際に、岡田さんは試飲参加者にミニ・セミナーをしてくれました。その内容は「ニュージーランドでは、斜面の畑ではなく、平坦なブドウ畑でも十分に満足のいくブドウが収穫できる」というものでした。なぜかというと、例えばフランスのブルゴーニュやシャンパーニュのような伝統的な産地では「平坦な畑より斜面の畑のほうがより素晴らしいワインを生み出す」とされているので、それをそのままどの国や産地にも当てはめて考える人に会ったことがあり、大変ショックを受けたから。「私は斜面の畑のワインしか飲まない」と言われて、味もみてくれなかったのだそうです。
そこで岡田さんは奮起! いわゆる斜面の利点に対してニュージーランドのマールボロでは、その条件はあてはまるのかどうか、という解説をしてくれました。
ポイント:斜面の畑の利点とマールボロの現状
1)日照量の多さ→マールボロではもともと日照量が多い
2)水はけがよい→マールボロでは降雨量が基本的に少ない
3)風通しがよい→マールボロでは頻繁に風が吹くことで有名
4)ブドウの樹勢のコントロールがしやすい→土地は痩せている上、畝間に草をはやしてコントロールをしているので問題ない
5)霜害が少ない→風車やヘリコプターによって対処している
こういうわけで、マールボロにおいては平坦な畑が斜面の畑よりも不利だ、という理由はないということでした。
実際に飲んでみてそれが美味しいワインであれば、平地であろうが斜面だろうが構わない、という方が多いとは思いますが、岡田さんからのせっかくのメッセージですから伝えさせていただきました!
カテゴリー | 赤 | |
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ワイン名 | ピノ・ノワール Pinot Noir | |
生産者名 | フォリウム Folium | |
生産年 | 2012 | |
産地 | ニュージーランド/マールボロ | |
主要ブドウ品種 | ピノ・ノワール | |
希望小売価格 | 3,700円 | |
輸入元/販売店 | 中島董商店 |
カテゴリー | 白 | |
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ワイン名 | ソーヴィニヨン・ブラン Sauvignon Blanc | |
生産者名 | フォリウム Folium | |
生産年 | 2012 | |
産地 | ニュージーランド/マールボロ | |
主要ブドウ品種 | ソーヴィニヨン・ブラン | |
希望小売価格 | 3,200円 | |
輸入元/販売店 | 中島董商店 |
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