スティラン × おやじ会(若手料理人の夜な夜なの集まり)
07/19
シャンパーニュは、フランス料理だけではなく様々なお料理と楽しめます。最近では懐石料理はもちろん寿司や天ぷらといった日本料理店にも、シャンパーニュのボトルが置かれているのを目にします。本当に合うのかどうかは、実際に試してみていただくことにして、今回はアンボネイ村の小さな造り手「スティラン」の8銘柄を、今をときめく若手料理人の皆さんに飲んでいただく会にお邪魔してみました!
今、ちまたにはたくさんの「おやじ会」が存在しているようですが、今回の「おやじ会」は必ず夜中に行われます。理由は、参加者のおやじ達が全員シェフもしくは料理人だから。まだ新しい会のようですが新年会で4、5名が集まったのをきっかけに、徐々にメンバーの数が増えて今では20数名になっているようです。ただしこの「おやじ」の共通項は都内近郊の飲食店のシェフや店主、料理人の方々。4月のある日の夜中に銀座の日本料理店「六雁」で行われた「おやじ会 スティラン編」には、総勢17名が参加となりました。
「キュヴェ・アレクサンドル・ブリュット プルミエ・クリュ」
「キュヴェ・シグネチャー・ブリュット グラン・クリュ」
「キュヴェ・ペルル・ノワール・ブリュット グラン・クリュ」
「キュヴェ・ブラン・ド・ブラン・ブリュット グラン・クリュ」
「キュヴェ・コレクション・プリヴェ・ブリュット グラン・クリュ2007」
「キュヴェ・ロゼ・ブリュット グラン・クリュ」
「キュヴェ・ミレジム・ブリュット グラン・クリュ2006」
「キュヴェ・ノン・ドゼ・ブリュット グラン・クリュ」
この8銘柄を皆で一斉に味見をして、同時にスティランご夫妻に解説をしてもらい、印象や感想を話してもらいました。すると、どのキュヴェも「気に入った!」とか「こんな料理と合わせてみたい!」という意見はもちろんあるのですが、共通項として「優しい」「繊細」「食事を通して飲むシャンパーニュ」という言葉がよく聞かれました。これもひとつの特徴なのでしょう。
そして、コメントが多かったのは、特に「ロゼ」と「ミレジム2006」「ノン・ドゼ」。
「ロゼ」は色が鮮やかな上に、ラズベリーやストロベリー系の香りがとても華やいでいて、印象に残った方が多かったようですし「今まで飲んだロゼの中で一番美味しい!」の声も数名。
「ミレジム2006」は、独特の熟成感があり、香りの複雑さや味わいの深みから、色々なお料理を連想されたようで、さすがシェフ! という感じ。様々なお料理との組み合わせを楽しめそうな銘柄です。
「ノン・ドゼ」は、最後に糖分調整していないにも関わらず、まったく攻撃的な要素がなくうまくバランスがとれているあたりが、共感を呼んだのだと思います。
では、この後に17名の精鋭シェフたちのコメントを載せておきますので、ご参考まで。ちなみに「スティラン」は今秋から日本に輸入予定で、メゾンの詳しい話しは別のページをご覧下さい。
(輸入は2013年秋予定/輸入元:アビスジュニア)
*****シェフのコメント*****(五十音順/敬称略)
秋山能久 「六雁」銀座/スーパー割烹
「料理を作るほうで必死だったので細かいことは言えませんが、シャンパーニュと日本料理の可能性は面白そうですね。まずは一番ベースとなるキュヴェ・アレクサンドルで、色々な料理と合わせて楽しんでいただきたいと思います」。
石田智人 「トミーノ・ラ・カーザ・ノーストラ Tomino La casa nostra」江東区常磐/イタリアン
「それぞれに個性がありましたけれど、繊細な印象を受けるものが多かったと思います。野菜や和食に合わせやすいかもしれませんね。キュヴェ・ペルル・ノワールは、酸味がほどよいのでハマグリやサザエなどの甘味とコクのある食材と。キュヴェ・ブラン・ド・ブランは香りがきれいで、帆立のソテーと合わせてみたいですね。キュヴェ・コレクション・プリヴェは、爽やかで白身の肉料理と合わせたいタイプです。ロゼは、ベリー系の香りが印象的で、赤身の魚や豚肉のグリルにもいいと思います」。
笠原将弘 「賛否両論」恵比寿/日本料理
「ブラン・ド・ブランがいいですね。食前酒ではなくて、食中酒として、例えば、アユの肝やアワビの肝を使った要理や、スッポンや鴨肉でも合わせられそうです」。
後藤祐司 「リストランテ ビフィ・テアトロ Biffi Teatro」白金台/イタリアン
「ロゼが印象的ですね。繊細な味わいに合わせて、ニンニクを使った繊細な南イタリアの料理と合わせてみたいですね。キュヴェ・ブラン・ド・ブランは生の魚と試したいですし、キュヴェ・ノン・ドゼは、黒豚と合わせてみたいと思いました」。
佐々木泰広 「アルモニコ ARMONICO」恵比寿/イタリアン
「シャンパーニュはアペリティフ、という印象がありましたが、このキュヴェ・ペルル・ノワールは、高めの温度で食事中に通して飲んでいただきたいですね。鴨や羊でなければ、何にでも合わせられそうです。いいですね」。
佐志原佑樹 「オステリア・スゲロ」 東麻布/イタリアン
http://www.sughero.jp/pc/index.html
「全体的に丁寧さが印象に残りました。一番印象的だったのが、キュヴェ・コレクション・プリヴェ。インパクトがあって、ボディも豊かで、酸もあるので、1本をゆっくり食事を通して飲むのがいいと思います。最初は低い温度で始めて、温度が上がってきた頃にお肉と合わせる。例えば春なら、ふきのとうとトマトを合わせて、シンプルな炭火焼の牛肉と。それから、キュヴェ・ペルル・ノワールは、複雑さやスモーキーなニュアンスがいいですね」。
竹岡慶 「ミナス minas」 西麻布/ステーキ・フレンチ
参考サイト/http://www.feric.ne.jp/food/minas/110118/
「キュヴェ・アレクサンドルは軽やかなのでアミューズと。キュヴェ・シグネチャーは鶏や豚肉料理と。ロゼはステーキととてもよく合います。今まで飲んだロゼで一番美味しいと感じました。ノン・ドゼは、一番強さを感じますが、でも繊細ですね」。
田村亮介 「麻布長江 香福延」(「えん」にはタケカンムリがつく)西麻布/中華
「全体的にとてもエレガントで繊細なシャンパーニュだという印象でした。私の料理は一般的な中国料理とは違って、素材を重んじているおのが多いのですが、ロゼとノン・ドセが圧倒的に気に入りました。ロゼは、エレガントでスグリの香りがきれいで、辛いものから酢豚まで、色々な料理といけると思います。ノン・ドゼは、酸のあり方がすごくいいですね。塩系肉料理、塩漬け卵料理も、様々な香辛料とも合わせやすいと思います」。
土切祥正 「コントワール・ミサゴ」西麻布/フレンチ
「食中酒にいいなあ、と。特にキュヴェ・ミレジムが気に入りました。キャラメルのような香ばしい香りがして、ボリューム感があって、余韻も長くて。乳酸系の香りが多くて柔らかいので、フォアグラのソテーやクリーム系の料理にいいですね。それからベリー系の果物やトマトのような香りがするロゼには、オマール海老を合わせてみたいですね」。
鉦本周仁 「御料理 礼賛」代々木八幡/日本料理
「キュヴェ・ミレジム、すごくバランスがよくて、いくらでも飲めそうです。キノコと鴨の治部煮と合いそうですね。それから、こんなに美味しいロゼは初めてです。何でも合わせられそうで、もちろん和食にもばっちり合います。山菜の天ぷらと合わせてみたいですね」。
平尾こうじ 「ビストロ・エビス」恵比寿/フレンチ
http://www.bistro-yebisu.com/index.html
「いくつかを春夏秋冬に分けると、ロゼとキュヴェ・ミレジムは春、キュヴェ・シグネチャーは夏、キュヴェ・ノン・ドゼは秋、キュヴェ・コレクション・プリヴェは冬。ノン・ドゼは、泡が優しくて口当たりもよくて、どんな料理にでも合わせられそうです」。
森茂彰 「モリLa Belle Brasserie」恵比寿/フレンチ
「バランスのよいキュヴェ・アレクサンドルをアペリティフにするのもいいですね。キュヴェ・ミレジムは、香ばしい香りや複雑な味わいや深み、熟成感があってバランスがよいので、これだけでも飲めますよ。ボトル売りしたいタイプですね。キュヴェ・コレクション・プリヴェは、温度が低くてもうまみがしっかりしているし、酸とのバランスもいいので、鹿肉の料理などちょっとクセのあるものとも合わせられそうです。ロゼは、イチゴの香りがして心地よいので、リー・ド・ヴォーのムニエルに合わせたり、しめのシャンパーニュとしてベリー系のギモーブのデザートにグラスでお薦めもいいかも」。
森義明 「割烹 喜作」 麻布十番/日本料理
「全体として、繊細さと果実の優しい甘味が感じられたように思います。一番気に入ったブラン・ド・ブランは、アペリティフというよりも食事と共に飲みたいタイプ。柔らかいけれど後味にボリューム感があるので、色々な魚や野菜の料理に合わせられそうですね。それからロゼですが、カツオや肉料理と試してみたいですね」。
矢部久雄 「銀座 矢部」銀座/日本料理
「キュヴェ・アレクサンドルの軽やかな喉越しは好きですね。後味もいいですよ。それから、一番気に入ったのはキュヴェ・ミレジム。泡立ちもまろやかで、素晴らしいですね。印象深いシャンパーニュです」。
山下九 「ビストロ・キュー Bistro Q」赤坂/フレンチ
「ノン・ドセが一番気に入りました。しっかりとした酸があって、料理とも合わせやすいですね。他にはキュヴェ・ミレジムは香りが高くて、まろやかな口当たり。ロゼは、コクがあるので赤のように肉料理まで飲み続けられると思います」。
山田チカラ 「山田チカラ」麻布十番/創作日本料理
/参考サイト http://tokyo-calendar.com/restaurants/1039
「キュヴェ・ミレジムがいいですね。コクがあって、まったりしていて、食事の間ずっと通して飲めますね。野菜、魚、肉、何にでも合わせられそうです。それから、ブラン・ド・ブランは割合ミネラルがとても強く感じるものが多いですが、ここのものはまろやかで、色々な料理に合わせやすいと思います」。
横江直紀 「ラパルタメント・ディ・ナオキ Lappartamento di NAOKI」麻布十番/イタリアン
http://www.naokiyokoe.com/index.html
「キュヴェ・ノン・ドゼが一番気に入りました。とても繊細で、心地よい酸があって、様々な料理とも合わせやすいと思いますし、好きなタイプです」。
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