「シチリア島は大陸!」というほど多様性豊かなのです 〜クズマーノのディエゴ・クズマーノが新アイテムを〜
07/31

シチリア島といえば、南国のイメージ、様々な文化の坩堝でもありエキゾチックなイメージ、あるいは昔のマフィアのイメージ、どんな印象があるでしょうか。今ではイタリアで最も安心な場所とされるシチリアは、意外に標高差があり気候条件も多岐にわたり、ブドウの収穫時期がとても長く8月初旬から始まって11月中旬まで続くといいます。そして、まるでひとつの「大陸」であるかのように、様々なスタイルのワインができあがります。人気の造り手のひとつ「クズマーノ」のディエゴさんの話を聞きました。
<タイムリーなデビュー>
2000年がデビューの年でありながら、わずか数年でシチリアのスター的存在となった「クズマーノ」は、兄のアルベルトと弟のディエゴによって運営されています。彼らの端正な顔立ちも、その一躍を担ったのではないか?とも想像してしまいますが、ディエゴ・クズマーノさん曰く「ちょうどシチリアワインのブームが始まった頃に自社で瓶詰めを開始したので、ラッキーでした」。運を得る才能もあった、ということですね。
会社は50年前に父フランチェスコが設立していたにも関わらず、長年ブドウでの販売やバルクワインという他地域や他国でのブレンド用ワインの需要がほとんど。多くのシチリアのワイナリーと同様の憂き目にあっていたのです。ようやく1990年代になってからプロジェクトを立ち上げる計画を始め、それが実ったのが2000年となりました。
<高地からの新アイテム>
さて、今回の来日(6月末)では新アイテムを2種類持ってきてくれました。スパークリングワインとロゼ。いずれもフィクッツァの畑から生まれるワインです。現在シチリア全土8カ所にブドウ畑を所有していて、合計430ヘクタールにも及び、2015年までにはそれが500ヘクタールになるというから驚きます。その中で、フィクッツァの特徴的な点のひとつが標高の高さ。だから、スパークリングワインには標高約700メートルの地にある畑からとれたブドウで造っていることを知らせるために「700ブリュット」と名付けたそうです。
フィクッツァという場所は、シチリア島の北西部。パレルモより内陸にあるコルレオーネという中世に栄えた待ちの北東にあるようです。「フィクッツァのフレッシュさを表現したい」という思いがスパークリングワイン造りに駆り立てたようです。「夏は日中で35度にもなりますが、夜は15度まで下がります。それに、冬は雪も降りますよ」とディエゴさん。黄桃のような、熟した果実のフレッシュな香りと、なめらかな口当たりの「700ブリュット」は、パレルモ名物のイワシのベッカフィーコと、とてもよい相性でした。
もうひとつはロゼ。2000年に苗木屋の薦めもありフィクッツァに植樹したピノ・ノワールを、2012年は赤ワインを造るのをやめて、ロゼを造ってみました。フレッシュなイチゴ、ラズベリー、チェリーが香り華やかな香りが印象的。爽やかさとなめらかさがほどよく、トマトとシラスのスパゲッティにちょうどよいトーン。でも、色々なお料理と合わせてみたくなるバランスのよい味わいでした。特に春から夏にかけてとても重宝しそうです。新鮮な魚介類が豊かなシチリア島。話しを聞いていると、日本から訪ねていっても食べ飽きることがなさそうなお料理がたくさんありそうです。
そういえば、もう一カ所標高が高く冷涼な気候の産地として注目度が上がっているエトナ山近くにも、今年畑を購入したそうです。徐々に広がる「クズマーノ」ワールドも、見逃せない存在です。
<付記>
お料理は銀座の「カンティーナ・シチリアーナ」http://www.cantinasiciliana.jp
カテゴリー | スパークリング | |
---|---|---|
ワイン名 | 700 ブリュット 700 Brut | |
生産者名 | クズマーノ Cusumano | |
生産年 | 2010 | |
産地 | イタリア/シチリア島 | |
主要ブドウ品種 | ピノ・ネロ+シャルドネ | |
希望小売価格 | (日本未発売) | |
輸入元/販売店 | フードライナー |
カテゴリー | ロゼ | |
---|---|---|
ワイン名 | ラムーサ Ramusa | |
生産者名 | クズマーノ Cusumano | |
生産年 | 2012 | |
産地 | イタリア/シチリア島 | |
主要ブドウ品種 | ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)100% | |
希望小売価格 | (確認中/2000円台) | |
輸入元/販売店 | フードライナー |
最近のコメント