おしゃれに飲む

調理中のオルタンス。後ろに見える男性が(ちょっとピントは合っていませんが。笑)給仕長役のジャン=マルク・ルーロ!
調理中のオルタンス。後ろに見える男性が(ちょっとピントは合っていませんが。笑)給仕長役のジャン=マルク・ルーロ!

調理中のオルタンス。後ろに見える男性が(ちょっとピントは合っていませんが。笑)給仕長役のジャン=マルク・ルーロ!

エリゼ宮はフランス大統領官邸であり賓客が招かれ、宴あるいは外交が行われる場所として知られています。そこで、ミッテラン大統領が再選され2期目を迎えた1988年から2年間、プライベート・シェフを雇うことに決めたそうです。この映画は、そのポジションに抜擢された女性料理人の話。実話に基づいているようですからノン・フィクション・ノベルといったニュアンスでしょうか。

この作品を通してオルタンス・ラボリ(実在の人物はダニエル・デルプシュ)の料理への情熱、素材に対するこだわり、様々な葛藤が描かれるのですが、ワイン好きの方々にはまた別の見所があるのです。ワインもいくつか登場しますが、なんとワインの造り手さんが出演しているのです!

ブルゴーニュ地方のムルソーの造り手として名高いドメーヌ・ルーロの当主ジャン=マルク・ルーロが、給仕長(メートル・ド・シェ)として、主役のオルタンスの側で活躍します。役名がジャン=マルク・ルシェ。同じ「ジャン=マルク」という名前で、姓はルーロ Roulot をルシェ Luchet として、しかもここのドメーヌではレ・ルシェ Les Luchets という畑を所有しているあたり、ちょっとした遊び心なのでしょうね。(ジャン=マルク・ルーロは、かつて本業が俳優。今は本業はワイン造りで、俳優は副業。のようです)(ルーロのリンクを開くと、キャンペーン中でした。映画の鑑賞券が当たるかも?)

チリメンキャベツを使った「サーモンのファルシ」。パンフレットにはレシピも載っていました。人参は、ロワール産の人参のグラッセで、葉っぱも美味しく食べられるそうです。

チリメンキャベツを使った「サーモンのファルシ」。パンフレットにはレシピも載っていました。人参は、ロワール産の人参のグラッセで、葉っぱも美味しく食べられるそうです。

それから、途中で女性ソムリエが出てきて、ある日の食卓でサービスするワインをオルタンスとジャン=マルクと共に話し合って決めるシーンがあります。名前はなく「ソムリエ」という役なのですが、その女性はなんとジャン=マルク・ルーロの奥方のアリックス・モンティーユ。こちらもブルゴーニュ地方のヴォルネイの高名な造り手ドメーヌ・ド・モンティーユの娘さんでもあり、映画「モンドヴィーノ」への出演でも知られています。

そういえば、パンフレットの「キャスト」の欄を見ていると「コシュ・デュリ」という名前があることに気がつきます。ワイン好き、ブルゴーニュ好きの方は特に反応されると思います。こちらも有名なムルソーの造り手の名前。ワインの造り手がこの映画のどこかのシーン、例えばワインを仕入れるシーンで登場するのかな、、、と想像してしまいますが、、、。どうぞ実際の画面でご確認ください。

さてさて、もうひとつの気になる登場ワイン! 最初に出てくるのはシャンパーニュの「クリスタル」。ルイ・ロデレールのプレステージですね。ヴィンテージまではわかりませんが、日本で手に入る最新ヴィンテージは2005年のようです。美味しそうに乾杯していました♪

プライベート・シェフ専用の厨房で、大統領に熟成したワインを注ぐ主人公のオルタンス。

プライベート・シェフ専用の厨房で、大統領に熟成したワインを注ぐ主人公のオルタンス。

次は、ロワールのコースを考えるにあたって例の女性ソムリエと相談する段にて、名前だけつらつらと発せられます。ロワールの素晴らしい造り手の名前が4つ。さて、何だと思いますか? 観る前にわかっちゃあつまらない、という方のために、このページの最後に記しておきます。ご興味のある方はどうごご覧になってください。

更に、今度はオルタンスが大統領にワインを注ぐシーンがあります。ローヌ地方南部のシャトーヌフ・デュ・パープの高名な造り手です。この赤ワインの1969年がある食べ物のお伴として開けられるのです。1988年のこととして計算すると19年熟成したものですから、設定を今年とすれば90年代半ばぐらいのヴィンテージということになりますね〜。この組み合わせ、正直言ってうなります。大統領、羨ましいです!

そして最後は再びシャンパーニュ。終盤にパーティーが催されるのですが、そこにたくさんのシャンパーニュのボトルが並んでいます。ただ、ラベルがしっかりとは見えないので残念ながら銘柄がわかりませんでした。わかった方は是非お知らせください!

「大統領の料理人 本予告」はこちらをどうぞ。公式サイトはこちらを。

<付記> 見つかったら、楽しんでみてください!

ロワールの料理に合わせる提案として登場したロワールワインの銘柄。

1)「ユエのヴーヴレイ」

シュナン・ブランから造られる白ですが、辛口、甘口、スパークリング、いずれのことかはわかりません。最初に挙がっているので泡ものかもしれませんね。バイオダイナミクス法でブドウ栽培をしていることでも知られています。

2)「ダグノーのシレックス」

プイィ・フュメの奇才、ディディエ・ダグノーのフラッグシップで、ラベルがシレックスと呼ばれる石という、見た目にも驚きますが、また味わいにも!究極のソーヴィニヨン・ブランの白ワインです。 ディディエは2008年に事故で亡くなってしまいましたが、その後は息子のルイ=ベンジャミンと娘のシャルロットが造り続けているようです。

3)「クーレ・ド・セラン」

こちらもまた有名な造り手ニコラ・ジョリーによるサヴニエールの白で、ブドウ品種はこちらもシュナン・ブラン。先ほどのバイオダイナミクスという栽培法の布教者ともいえる人物です。ワインはもちろん素晴らしいのですが、大抵開けたその日より、翌日か二日後ぐらいのほうが美味しくなる、という白ワインです。

4)「フコーのクロ・ルジャール」

やっと赤です(笑)。こちらはソミュール・シャンピニーの赤で、ブドウはカベルネ・フラン。この品種はロワール地方だけでなく、ボルドー地方でも栽培されている品種です、どちらかといえばボルドーのほうが評価が高いのが一般的なのですが、ここのフコー兄弟が造るソミュール・シャンピニーはちょっと別格。

(画像は配給会社のGAGAよりお借りしました)(text  by Yasuko Nagoshi)

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