おしゃれに飲む

大聖堂横

パリのシャルル・ドゴール空港にTGVの駅があるので、一度パリの街中へ行かなくても各地にそのまま直行できるようになりました。シャンパーニュ地方のランスもそのひとつです。ランスにあるノートルダム大聖堂とトー宮殿、サン・レミ旧大修道院は、1991年に世界遺産に登録されました。特に大聖堂は壮観で、街のシンボルともいえる存在感ある建物です。

 

<ノートルダム大聖堂の見所>

この大聖堂は、常にどこかしら修復しているようで、今春の訪問時には表参道から向かって行くと真正面に見えるメインの西正門が、まさに修復中で、残念なことに外側からは見ることができませんでした。ただ、荘厳な様子は他からも大いに感じ取れます。中に入ると、厚い石の壁に囲まれた空間はひんやりとしています。高い高い天井へ向かって、いくつもの柱が伸びている様子は、人々に天国の存在を想像とさせるものだったのでしょう。

 

その高さは、なんと38メートルもあるのです。そして東西の全長は138.7メートル。西正面の内側には、ステンドグラスによる華麗なふたつのバラ窓が見えます。上下にこのようにふたつ並ぶのは珍しく、ここの特徴のひとつとして知られています。そして、反対に東側の内陣奥に目を移すと、有名なシャガールによるステンドグラスから青い光が差し込んできます。シャガールのステンドグラスは、他にも南仏やドイツにありますから、追って見るのも楽しいかもしれませんね。

 

今の建物は、1211年以降に建てられたもので、いわゆるゴシック建築です。ここの華麗なる歴史が始まる496年、フランク王国クロヴィスがランスの司教レミギウス(レミ)にキリスト教改宗の洗礼を受けた時には、ロマネスク様式の教会だったので随分雰囲気が異なったはずです。クロヴィスの洗礼に始まり、歴代のフランス国王がランスのノートルダム大聖堂で戴冠式を行うようになり、816年のルイ1世から1825年のシャルル10世まで25名が、ここで戴冠式を挙げました。

 

中でも有名なのが、ジャンヌ・ダルクによって15世紀に新国王となったシャルル7世です。イギリスとの100年戦争中という混乱時にランスで戴冠式を挙げたことで、国民の士気が上がり、勝利に導いたといわれています。フランスの歴史をも左右した出来事が行われた、重要な場所だったのです。

 

外観にも特徴があります。外壁に施された彫像は、合計で2,300体と膨大な数で、中でも「ほほえみの天使」と呼ばれる温かい表情の彫像が有名です。そして天井の高い建物を支える外壁の上の方を見上げると、たくさんの小さな塔が見られます。ピナクル(小尖塔)と呼ばれるものですが、その大きさや装飾がとても目立つ存在なのも、このランスのノートルダム大聖堂ならでは。

 

<シャンパーニュを楽しむ>

そしてもちろん、ランスを訪れるならシャンパーニュを楽しみたいですよね。多くのメゾンの本拠地がこのランスにもありますから、見学してみたい場合には、ガイドブックを参考にして(ワイナートの別冊がお薦め)予約をとってみてはいかがでしょうか。テタンジェ、ポメリー、G.H.マムといった大きなメゾンは、しっかりとしたツアーが準備されていて予約もとりやすいはずです。小さなところは、なるべく早めの予約をお薦めします。

 

街中にはいくつもカフェやビストロがあり(駅の近くにブラッスリー・フロFloもあります)、どこでもグラス・シャンパーニュが用意されています。ボトルのリストもあるので、じっくり眺めてみてください。ワイン・バーでお薦めなのは、ワイン・ショップが経営している「ル・ワイン・バー Le Wine Bar by Le Vintage」です。とてもシンプルな名前ですね。定期的にお薦めのワインやシャンパーニュの銘柄が変わるようですから、ちょうど好みのタイプのフェアをしているといいですね。ここは、シャンパーニュの生産者の方にも、ランス在住のワイン・ジャーナリストにも薦められたお店です。おつまみも、美味でしたよ。

 

豪奢なレストランをお望みならば、やはり一押しはルレ・エ・シャトーのメンバーでもある「レ・クレイエール Les Crayeres」。レストランのLe Parkには、レストラン・メニューとテラス席のメニューがあります。少しカジュアルな方がよければ、ブラッスリーのLe Jardinへ、どうぞ。ここに宿泊もできれば最高かも。

 

シャンパーニュ地方は、あまり名物料理を聞きません。生産者さんとランチを食べている最中に、昔ながらの伝統的な料理を聞いてみましたが、しばらく悩んで、出てきた答えが「豆料理かな?」と。だから、特に地方料理を目指すというよりは、それぞれの店の自慢料理を聞いてみるのがよいように思います。

 

そしてお土産を買うならば、シャンパーニュはもちろんのこと、お菓子もあります。大聖堂の近くにもいくつか土産店があり、必ず置いてあるものがあります。シャンパーニュのコルク型のチョコレートと、ビスキュイ・ローズ。Fossierのビスキュイ・ローズは有名で、きれいなピンク色と溶けるような食感のメレンゲ菓子です。Fossierの店舗へ行けば、他にもバラエティー豊かなお菓子がたくさんありますから、甘いもの好きの方は是非尋ねてみてください。

 

そうそう、ノートルダム大聖堂は夜のライトアップも綺麗なので、暗くなってからも是非見に行ってみてください。ロマンチックな景観です。

(text & photo by Yasuko Nagoshi)

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