ワインと料理

Point: 味の変化を楽しむ

ささ身肉の味わい3種。ハーブ塩(奥)、柚味噌(左)、薄口醤油(右)。

ささ身肉の味わい3種。ハーブ塩(奥)、柚味噌(左)、薄口醤油(右)。

ワインと料理の組み合わせは、一通りではありません。それぞれの人の嗜好も含め、とても多くの可能性があるのが面白いところです。そこで、今回はサルデーニャの白ワインとささ身肉でちょっとした実験をしてみました。

ワインは、色も濃いめで華やかな香りの白。バニラやミツ、熟したリンゴ、アップルパイのようなニュアンスや、柑橘系の果皮も香ります。味わいはなめらかで厚みもありますが、酸もかっちりとしているので後味は爽やか。低めの温度だと特に柑橘系の果皮の香りが強調されて感じられ、味わいも固めですが、温度が上がるに従って、リッチさが醸し出されてきます。

鶏肉を使ったミートパイや、トンカツ、メカジキのソテー、ピザなど、色々な料理に合いそうです。が、今回はささ身肉を使って、3種類の味と試してみました。

オリーブオイルで軽く焼き目をつけたささ身に、1−ハーブ塩、2−柚味噌、3−薄口醤油で味つけ。調味料をプラスした後は、フライパンの余熱だけで仕上げました。

1→極自然な組み合わせで、ワインのピュアさが強調されます。低めの温度帯のほうがより良い相性。

2→ほっこりとした相性で、両者の柑橘系の香りが広がります。

3→こちらは香りより味。両者の味に深みが出ます。高めの温度帯のほうがより馴染みがよい印象です。この結果は予想外だったので実は驚きました。

どういう結果が好きなのか、によっても選択肢が変わってきますね。是非楽しんでみてください。

<付記>

この白ワインは、サルデーニャ島に広大なブドウ畑を所有するセッラ・エ・モスカが造るもので、ブドウ品種はトルバートとソーヴィニヨン・ブランです。トルバートは珍しい品種で、セッラ・エ・モスカが復活させた古い品種です。もともとスペインのカタルーニャ地方からもたらされた品種ですが、今では、南仏で少量だけ別名で栽培されているのを除くと、世界でここだけにしかありません。もし単一品種で飲んでみたい場合には同じ会社の「テッレ・ビアンケ」を探してみてください。よりフレッシュなタイプです。

(text & photo by Yasuko Nagoshi)

スタイリッシュなラベルの「ティリオン」。

スタイリッシュなラベルの「ティリオン」。

カテゴリー 白ワイン
ワイン名 ティリオン アルゲーロThilion Alghero
生産者名 セッラ&モスカ Sella & Mosca
生産年 2012
産地 イタリア/サルデーニャ
主要ブドウ品種 トルバート+ソーヴィニヨン・ブラン各50%
希望小売価格 オープン価格(3000円代)
輸入元/販売店 モンテ物産
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