ワインと料理

11月第3木曜日。

なんとなく、ワイン飲もうか、と思う方も多いと思います。

ボージョレ・ヌーヴォーの解禁日、

街の至る所でワインをアプローチしているから、というのもあるけれど。

 

ワインの消費が落ち込んでいる、と耳にすることが多いですが、

一つ言えることは、

継続的にコンシューマーにアプローチしているのだろうか。

一度だけやってみてなんか違う、と思ってやめてないか。

だってみてください。

ボージョレ・ヌーヴォーは毎年1回の大きなプロモーションですが、

これを何十年と続けてきているのです。

私は何事も続けることに意味がある、と思っています。

そこに何か発見があるから。

 

毎年「今年は最高の出来」とうたわれ、

そうなのか! えっと去年はどんなだったっけ…と

記憶を呼び戻すのに果てしないエネルギーを使ってしまうのが

ヌーヴォーの魅力でもあります。

そして毎年バック・ヴィンテージとして残していて

定点観測したい、と思うが忘れてしまう。

でも今年は違います。

このヌーヴォーに出合ってしまったから。

 

XKLVC05_S1_1407_bl[1]別格、とはこのような味わいのことなのかな、と

これは私目線の印象。

デュブッフさんのいつのもラベルとは違うオーラもある。

そうやすやす開けてはいけない、と直感で思いながらも

解禁翌日に飲んでしまった…

なんとなく2時間前に冷蔵庫に入れて。

 

私の体温からしてこの2時間前、というのが大正解でした。

少し冷やすことで味が引き締まり、

一口飲んだ時に「はい、これからワインを飲みますよ」と頭が意識してくれる。

いわゆる適温だと体温的にもぼやけてしまって、

飲みなれているブドウ品種とは違う! ちょっとどうした? と

頭も混乱しちゃうのかな。

ラベルしかも少し冷やすことで香り方にも変化を見ることができて

とても面白い赤ワインだな、と思うのです。

聞けば凄腕・ガメイ種生産者のブドウを集めて造っている、とのこと。

ここでテロワールを意識してしまうのです。

農作物って本当にピュアだな。

ぜひ見かけたらお買い求めください。

ジョルジュ デュブッフ・ヴィラージュ セレクション プリュス2014。

でも。もう、ないかな…

違いが分かる方なら絶対響く味わいだから。

 

あれ?って思っているうちに飲み終わってしまった。

軽やかなタンニンとかわいらしさを感じる果実の香り。

こんなこと、まずしないのだけれど、

ふとチーズが食べたくなりました。

もうこれは個人的趣向というか、

チーズを食べた後ってずっとチーズのままでいるのが

せっかちな私には向いていないのです。

早くリセットしたいよね、と思ってしまう。

でもこのヌーヴォーは違った。

なんかチーズが食べたい。

仕事柄、なんだかんだチーズは食べている。

その記憶を探り、では私は今なにが食べたいのか、悩みます。

とっても広く知られているもので、

熟成とか気にせず、味わえるもの。

 

写真 2これにたどり着きました。

ほんと、パルミジャーノ・レッジャーノは面白い。

造り手、熟成期間の違いは明確。

ブロックなのかすりおろすのかでもまた味が異なる。

 

私は断然すりおろす派。

でもこれはすりおろし器が非常に重要です。

細かさと薄さがポイントだと思う。

好みである余韻が長いけれどリセットできるギリギリの感覚。

ブロックじゃないんだよな。

 

チーズ云々よりも、このグレーダーでなければダメなのです。

 

写真 110年以上前にハワイでみつけたもの。

パルミジャーノ・レッジャーノは

あっという間にsnow mountainに変わります。

ふわっふわの新雪って感じ。

今でこそこのグレーダー、スーパーでも売られていますが。

その当時は「え、これなに?」と聞かれることが多かった。

これを使い始めたら他のものは使えない。

以来これしか使っていません。

ではパルミジャーノ・レッジャーノをどう食べようか…

イメージは

このフワフワのなかにスプーンをいれ、大盛り状態で

そのままパクっと食べる。

あっという間に溶けてなくなってしまう。でも香りと余韻は続く。

これに限りますね。絶対的に。

はぁ、妄想しただけで食べたくなりました。

カーチョ・エ・ペペにして

このヌーヴォーと合わせてみたいなぁ…

 

ということでワインを探しに行きます!

ここに掲載されています)

(photo & text by Satoko Fujisaki)

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