ワインと料理

Point: 果実のハリとミネラル感を合わせる

 

ワインが大好きな人、あるいはワイン業界で仕事をしている人は、たいてい美味しいものにも目がありません。だからでしょうか。たとえ見た目はやせ形でも、実はコレステロール値が高くて、なんていう人が結構いて驚くことがあります。ふりかえれば、確かにワインと美味しいお料理は多くものが肉や魚や……知らず知らずのうちに、栄養価の高い美味しいものが体内に蓄積されているのかもしれませんね。

 

ならば、たまにはベジタリアン的なご飯の日があってもいいかもしれません。でも、その日はワインなし? それは寂しい〜! という場合には、いくつかの美味しい選択肢があります。

野菜と美味しい白ワイン! 品種でいえば、リースリング、オーストリアのグリューナー・フェルトリーナー、そして日本の甲州です。いずれも、造りの段階で樽熟成をしていないものをお薦めします(樽熟成したリースリング、グリューナー・フェルトリーナーは、ゼロではないですがほとんどありませんからご安心を)。

 

ちょうど国内外でも人気の甲州、山梨県の中央葡萄酒による「キュヴェ三澤 明野 甲州」の最新ヴィンテージ、2013年のリリースが開始されました。

 

昨年の夏「美味サライ」の日本ワイン特集で、取材のためにこの明野のブドウ畑を訪問しました。本当に評判通りの太陽の町でした。日照時間日本一で、ひまわりの町としても知られています。今年も恒例の「明野サンフラワーフェス」が7月末から8月末まで行われるようですが、その数60万本のひまわりが楽しめるようです。

 

特に暑かった昨年の夏。甲府や勝沼では最高気温40度を超えたのではないかと思うその日、明野を訪問していました。明野は標高が700メートルという高い場所にあるので、甲府や勝沼に比べると2〜3度低かったようです。日差しは大変強く感じましたが、標高が高い分、酸を保てるという好条件が揃っていることもわかりました。小さな房の甲州はその後も順調に生育して、とても凝縮した小粒の果実を実らせたようです。

 

まだ瓶詰めして間もないようですから、とても若くてシャイな状態ではありますが、それでもフレッシュでキリッと明確に立ちのぼる柑橘類の香りが魅力的です。柚子や小夏のような日本の柑橘を思い浮かべます。切り立てのリンゴや固い洋梨や、花のようなニュアンスもあります。そして、果実と酸とミネラル感とが凝縮した味わいも、とても印象的です。太陽の光と熱を感じる、一滴の太陽エキスが入っているような、パツンとしたハリがあり、勢いのある食感。後味には塩のような、ほんのりとした旨苦み。岩塩をなめたくなりました!

 

同じ山梨県産のベビーコーン。皮付きのまま焼くと贅沢な味わいに!

同じ山梨県産のベビーコーン。皮付きのまま焼くと贅沢な味わいに!

そこで、ここぞ! という時のために取っておいた(笑)フランスのお塩、フルール・ド・セルだけで、新鮮な野菜を食べることを思いつきました。ベビーコーンとスナップエンドウ。ベビーコーンは、皮付きでいただいた山梨産です。皮付きのままグリルして蒸し焼きにしたものなので、ほっこりと旨みが包まれたままで大変美味です。山梨コンビ、最高です! スナップエンドウも、茹でずにレンジでチン。このほうが甘味が残るように思います。

 

ピュアなもの同士の組み合わせ、是非お薦めしたいと思います。

 

追伸1:「キュヴェ三澤 明野甲州」の話は、また後日。お楽しみに!

追伸2:ちなみに、このベビーコーンをはじめとする美味しい山梨産野菜は、山梨の名店「ビストロ ミル・プランタン」で味わえます。ブログで最新情報も得られます。

(text & photo by Yasuko Nagoshi)

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