ブルゴーニュの2人の巨匠がコラボレーション 〜メールラン&ラフォンが特別なプイィ・フュイッセを!〜
10/08
マコネの魔術師という異名をもつオリヴィエ・メールラン氏が、ムルソーの巨人とも呼ばれるドミニク・ラフォン氏とのコラボレーションを始めました。プイィ・フイッセの「シャトー・デ・カール」。2012年が初ヴィンテージで、日本にも少量ながら入荷しました。プイィ・フュイッセで最高の畑とされる古樹が残る2.23ヘクタールの畑から生まれる白ワインです。
ドメーヌ・オリヴィエ・メールランのメールラン氏とコント・ラフォンのドミニク・ラフォン氏は、どちらも世界的に知られる白ワインの巨匠であり、古くからの友人だといいます。ラフォンが1999年からマコンの「レ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォン」を造っていますが、この畑を購入するにあたってもメールランに助言を求めていたようです。お互い腕を認め合う、強い信頼関係が築かれていたことがわかります。
メールランは長年、最高のフュイッセの畑を探し続けていたようです。そしてこの「シャトー・デ・カール」という名の古城に付属する畑「クロ・デ・カール」に行きつき、数年間ネゴシアン用のブドウとしてここの大半のブドウを購入していたのだとか。そしてこの畑のブドウの品質に確信が持てたのか、ちょうどタイミングよく売りに出たのか。ラフォンに連絡して、共同で購入し、ワイン造りにあたることにしたのです。
プイィ・フュイッセの産地の中でも南に位置するシャントル村にあり、東向きのゆるやかな斜面の上部には、石垣で囲まれた2.23ヘクタールの畑があります。粘土石灰質土壌とオレンジがかった小石が混ざった水はけのよい土壌で、そこからソーヌ川を見下ろすことができるのです。樹齢70年、80年はあたりまえで、1917年植樹の100歳近いものもあるといいます。城が古いだけでなく、畑も相当の古株クラスです。
この2人がタグを組み、しかもこれだけの古樹から造ると、一体どのような味わいになるのだろう? 試飲する前にワクワクしました。両者が造るワインの味を足して2で割るのではなく、共通項をうまく掛け合わせたような味わいでした。恐らく、ブラインドで試飲するとムルソーだと言いそうなニュアンスでしょうか。
トースト、バニラ、熟したリンゴ、花、ハチミツなどのとても豊かでたっぷりとした複雑な香りがします。味わいもなめらかで果実味が充実し、ミネラル感や骨格もしっかりして、とても生き生きとした様子です。
メールランのファン、ラフォンのファン、どちらにも喜ばれる満足度の高い1本だと思います!
(画像提供 by 中島董商店/text by Yasuko Nagoshi)
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