ワイン&造り手の話

ニュイ・サン・ジョルジュやヴォーヌ・ロマネのどの銘柄を試飲しても、上品で透明感がある。これが若きマキシム・シュルランが造る「ドメーヌ・ジョルジュ・ノエラ」の赤ワインの印象です。聞けば、まだ20代前半というではありませんか。2010年が初ヴィンテージという初々しさです。エマニュエル・ルージェの息子の一人、ギヨームとは従兄弟の関係で、大の仲良しのようです。

 

ブルゴーニュで「ノエラ」といえば、「ミッシェル・ノエラ」「シャルル・ノエラ」「アラン・ユドラ・ノエラ」などが有名で、「ジョルジュ・ノエラ」は比較的地味な存在だったのかもしれません。クラシックな造り手、という印象でしょうか。マキシム・シュルランが2010年に若き当主となる前は、5代目当主を祖母のマリー・テレーズさん(ジョルジュ・ノエラの娘)が取り仕切っていました。ただ、ワインの大半はルイ・ジャドやジョセフ・ドルーアンといった大手ネゴシンに販売するという契約を結んでいたようです。ちょうどその20年契約が終了したので、晴れて本来のドメーヌとしての活動が始まったということです。

 

かのアンリ・ジャイエの甥であり後継として知られるエマニュエル・ルージェもまた、絶大な人気を博していますが、エマニュエルにはニコラとギヨームの2人の息子がいます。おもにニコラが畑を、ギヨームが醸造を手伝っているようですが、彼らと従兄弟の関係にあるマキシムは、特にギヨームと一緒にいることが多く、切磋琢磨しているといいます。そう、ドメーヌを継ぐ前の2009年はエマニュエル・ルージェで造りを手伝ったとか。

 

「ニュイ・サン・ジョルジュ2011」は、とてもなめらかでバランスよく、「ニュイ・サン・ジョルジュ プルミエ・クリュ・レ・ブード2010」は、繊細でバランス感覚にすぐれ、なめらか。「ヴォーヌ・ロマネ2010」は、しっとりとして透明感があり、エレガント。「ヴォーヌ・ロマネ プルミエ・クリュ・レ・ショーム2011」は、熟したラズベリーやチェリーのインパクトもありながら、きれいでなめらかでハリもあり、とても印象的でした。樽使いもとても上手で、CAVINというこだわりの樽職人から購入しているようですね。

 

やはり今のブルゴーニュの若い世代の傾向は、いかに畑の個性をそのまま表現するか、という点にフォーカスしていることがよくわかるワインでもあります。抽出しすぎず、樽をかけすぎす、果実の純粋性を出せるような透明感のある造りを、目指しているのでしょう。今後がますます楽しみです!

(text & photo by Yasuko Nagoshi)

 

ノエラ縦 カテゴリー 赤ワイン
ワイン名 ヴォーヌ・ロマネ Vosne – Romanee
生産者名 ドメーヌ・ジョルジュ・ノエラ Domaine Georges Noellat
生産年 2010
産地 フランス/ブルゴーニュ
主要ブドウ品種 ピノ・ノワール
希望小売価格 10,000円(本体価格)
輸入元/販売店 KFW アンリ・ジロー
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