藤崎さとこの妄想!ワインと料理のマッチング 第7回 〜黒豆とレバノンの妄想的友好関係〜
01/14
まもなく旧正月を迎える、と思うと
まだ年始気分が抜けない今日この頃。
今年のおせち料理、いろいろ反芻しています。
毎年何を作るか考えて一応全部作ってみる(まぁ、実験ですね)
ことが続いています。
よく企画でおせちに合うワイン、などありますが、
本当にコレは難しい。
素材そのものの個性がかなり主張していたり、
何をフォーカスポイントにするか、で
何を選ぶか悩むと思うのです。
個人的には好きなもの飲めれば幸せではないかしら? と思うのですが。
マッチングってそういうことなんじゃないかな。
なので私は泡ものにシフトしてしまう。
これのバランスで新たな発見がある、ということも
今年、わかりました。
黒豆です。
帯広産のものを初めて買ってみました。
大ヒット!
大きすぎず、皮と実(というのか・・?)がしっかりくっついていて
しわしわにならない。
一晩漬けておくとふやけて大きくなると思うのですが、
大きくなりすぎず、抜群のサイズ感なのです。
味の入り方が違う! と素人目でみてもわかりました。
すぅっと入ってどっしりしない。
分量は最初レシピの1/4程度しか入れません。
それで一度煮ていきます。
あとはつまみながら足していく。
豆が常に浸っているように水を足しながら。
結局、砂糖はあと少しだけ加えました。
甘さはこのくらいでちょうどいい。
豆が美味しく感じる。
シャンパンの勢い、ではないな、このバランスは。
かといってじゃぁ何だろう…
年末修業のように飲んできたワインを思い出します。
いや、シャンパンでもロゼ、セニエっぽいのにしてみる?
いや、イタリアの土着品種系、うーん、赤はキツイと思うから白?
そうね、赤ではない、この甘さには。
タンニンの主張加減でずっと悩み続ける気がする。
私の経験値が浅いゆえ。
白か。
なんだろう、良いのだけど、ブルゴーニュ全般から感じられる
シャルドネの個性、ボリューム感のあるもの、ということでもない。
甘さが豆に入っているから、このボリューム感は微妙に感じるかも。
どんな白ワイン用の品種があるかなぁ。
合わせなくてもいいのではないか、とすら思うほど
アホみたいに悩んでいる自分がいます。
こうなったらどこかに着地しなきゃ気がすまない。
レバノンのヴィオニエ。
ずっとひっそり思っていたこと。
ヴィオニエって国によってこうも違うのか、と新しい発見があるけれど、
なんとなく琴線がつながっている。
余韻に残る、なんだろう、柔らかさに一定のふり幅があるような。
もちろんファーストアタックの香り、口に含んだ瞬間に広がる特徴的な甘さ、
果実をイメージできるフレッシュさ、
それは個体差があると思いますが。
このレバノンのヴィオニエはエレガントさをまず表現してくれる。
それを思い出しました。
素材の甘さ、それをアシストしてくれるような果実の甘さ(うーん、甘さという表現が短絡的ではありますが、他に言葉が見つからない…)
このバランス感があると思うのです。
しかもフィニッシュにベタつきがない。
もう一回黒豆煮てみたくなりました。
同じような仕上がりになったらこれはしっかり実験しなければ。
妄想とは、一期一会のタイミングを想像することですから☆
(text & photo by Satoko Fujisaki)
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