ワインと料理

まもなく旧正月を迎える、と思うと

まだ年始気分が抜けない今日この頃。

今年のおせち料理、いろいろ反芻しています。

 

毎年何を作るか考えて一応全部作ってみる(まぁ、実験ですね)

ことが続いています。

よく企画でおせちに合うワイン、などありますが、

本当にコレは難しい。

素材そのものの個性がかなり主張していたり、

何をフォーカスポイントにするか、で

何を選ぶか悩むと思うのです。

個人的には好きなもの飲めれば幸せではないかしら? と思うのですが。

マッチングってそういうことなんじゃないかな。

なので私は泡ものにシフトしてしまう。

 

黒豆ただ、味つけ、私にとっては甘さの加減になるのですが、

これのバランスで新たな発見がある、ということも

今年、わかりました。

黒豆です。

 

帯広産のものを初めて買ってみました。

大ヒット!

大きすぎず、皮と実(というのか・・?)がしっかりくっついていて

しわしわにならない。

一晩漬けておくとふやけて大きくなると思うのですが、

大きくなりすぎず、抜群のサイズ感なのです。

 

生砂糖甘さは初めて買ってみた生砂糖。

味の入り方が違う! と素人目でみてもわかりました。

すぅっと入ってどっしりしない。

 

分量は最初レシピの1/4程度しか入れません。

それで一度煮ていきます。

あとはつまみながら足していく。

豆が常に浸っているように水を足しながら。

 

結局、砂糖はあと少しだけ加えました。

甘さはこのくらいでちょうどいい。

豆が美味しく感じる。

シャンパンの勢い、ではないな、このバランスは。

かといってじゃぁ何だろう…

年末修業のように飲んできたワインを思い出します。

いや、シャンパンでもロゼ、セニエっぽいのにしてみる?

いや、イタリアの土着品種系、うーん、赤はキツイと思うから白?

そうね、赤ではない、この甘さには。

タンニンの主張加減でずっと悩み続ける気がする。

私の経験値が浅いゆえ。

 

白か。

なんだろう、良いのだけど、ブルゴーニュ全般から感じられる

シャルドネの個性、ボリューム感のあるもの、ということでもない。

甘さが豆に入っているから、このボリューム感は微妙に感じるかも。

どんな白ワイン用の品種があるかなぁ。

 

合わせなくてもいいのではないか、とすら思うほど

アホみたいに悩んでいる自分がいます。

こうなったらどこかに着地しなきゃ気がすまない。

 

ヴィオニエふと思い出したのがこの白ワイン。

 

レバノンのヴィオニエ。

ずっとひっそり思っていたこと。

ヴィオニエって国によってこうも違うのか、と新しい発見があるけれど、

なんとなく琴線がつながっている。

余韻に残る、なんだろう、柔らかさに一定のふり幅があるような。

もちろんファーストアタックの香り、口に含んだ瞬間に広がる特徴的な甘さ、

果実をイメージできるフレッシュさ、

それは個体差があると思いますが。

このレバノンのヴィオニエはエレガントさをまず表現してくれる。

それを思い出しました。

素材の甘さ、それをアシストしてくれるような果実の甘さ(うーん、甘さという表現が短絡的ではありますが、他に言葉が見つからない…)

このバランス感があると思うのです。

しかもフィニッシュにベタつきがない。

 

もう一回黒豆煮てみたくなりました。

同じような仕上がりになったらこれはしっかり実験しなければ。

妄想とは、一期一会のタイミングを想像することですから☆

(text & photo by Satoko Fujisaki)

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