東澤壮晃の楽しい嬉しい美味しいヒント/〜今夜は「月齢」がワインを楽しくさせる!〜
01/20
オーストラリアの羊を扱い、オーストラリアのワインを扱っている肉屋の日常生活には時々「羊肉」と「シラーズ」のペアリングが話題にのぼるであろう事は皆さんにも想像し易く、まさにその通りなのです(他国のシラーはこの話にあまり含みません)。
オーストラリアが羊大国である事に異論を唱える人はおらず、現在100カ国以上の市場に羊肉を輸出する世界最大の羊肉輸出国、そして「オーストラリアで最も重要なブドウ品種は、間違いなくシラーズです。」と著名なオーストラリアのワイン評論家が言っているように最も有名な品種がシラーズである事は既に一般常識レベルでしょう。
そんな2つの事実から「羊肉にはシラーズでしょ?」なんて良く言われるのですが、みなさんはどう思いますか?
ちょっと待てよ?と思った方は、さまざまな羊肉料理・そしてワインにも精通されている方なのでしょう。もちろん、一言でシラーズと言っても他のワインと同じく、価格、樹齢、地域、醸造などによって様々なスタイルに変化するワインである事は肉屋が言うまでも無いですが、一般的にシラーズを語るキーワードとして「濃厚、スパイシー、パワフル」なんてキーワードを良く耳にします。
もちろん、これらのイメージにドンピシャのワインも沢山あり、そんなワインに相性バッチリの料理もありますが、それだけで羊肉=シラーズの図式が成り立つかと言うと、そればかりでは無さそうです。
さて、どのような視点からこの事を書こうか悩みましたが、ワイン屋さんではなく羊肉屋ならではの「羊の月齢(生後何カ月であるか)」毎に羊肉とワインの相性について考えてみました。
<ベイビーラム(乳飲仔羊)の料理>
肉は繊細で軽く非常に淡泊なこの肉に、力強いシラーズを選んでしまったら、ワインで肉の繊細さを圧倒する結果になるでしょう。もちろん、この若い肉に甘味や味わいを補完する為のソースが使われているならば話は少し変わりますが、野菜類などとシンプルにグリルした若いラムにはロゼスパークリングや、ガメイ種の軽やかでフィルーティーなものはいかがでしょうか?
カテゴリー | 赤ワイン | |
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ワイン名 | バスフィリップ ガメイ (Bass Phillip Gamay) | |
生産者名 | バスフィリップ(Bass Phillip) | |
生産年 | 2009 | |
産地 | オーストラリア/ヴィクトリア州/サウスギップスランド | |
主要ブドウ品種 | ガメイ | |
希望小売価格 | 6,800円(本体価格) | |
輸入元/販売店 | ヴァイアンドカンパニー |
<ラム(仔羊)の料理>
ラム肉料理というのが一番幅広く(沢山の調理法が存在するので)、シンプルに書く事に頭を悩ますのですが、条件として「程度の差はあれ脂肪が付いている」、「ローズマリーやニンニク、黒胡椒など定番の味付けで調味している」、「ミディアム~で焼いている」という条件であれば若いカベルネ、カベルネ/メルローのブレンド、なんてのが良い仕事をします。赤ワインで煮込んだシャンクなどにも良いでしょう。もちろんシラーズでも良いのですが、あえてオーストラリアのカベルネを選んでみました(おすすめワインの産地クナワラの周りには羊も沢山飼育されているのです・・・牛もいるけど)。
カテゴリー | 赤ワイン | |
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ワイン名 | カベルネ・ソーヴィニヨン (Cabernet Sauvignon) | |
生産者名 | ウィンズ クナワラ エステイト(Wynns Coonawarra Estate) | |
生産年 | 2011 | |
産地 | フランス/地方 | |
主要ブドウ品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン | |
希望小売価格 | 3,800円(本体価格) | |
輸入元/販売店 | ファームストン |
また炭火焼・バーベキューには(味付けにかなり依存することはご承知の通りですが)、シラーズ、シラーズブレンド(GMS/グルナッシュ・マタロ・シラーズ)、グルナッシュなどオーストラリア定番の出番でしょう。少し甘味を感じる果実実の強いワインが飲みたくなるはずです。が、日本の暑い真夏に行われるBBQでビックシラーズを飲むのはきついので、冷涼気候で作られた少しさわやかな若いシラーズも良いかと。
カテゴリー | 赤ワイン | |
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ワイン名 | モッパスプリングス GMS (Moppa Springs GMS) | |
生産者名 | ロックフォード(ROCKFORD) | |
生産年 | 2009 | |
産地 | オーストラリア/南オーストラリア州/バロッサヴァレー | |
主要ブドウ品種 | グルナッシュ・シラーズ・マタロ | |
希望小売価格 | 4,300円(本体価格) | |
輸入元/販売店 | Kpオーチャード |
食べる部位が赤身ということであれば上質なピノ・ノワールがおすすめ。アイオブショートロイン(仔羊背肉の脂肪除去)やヒレなどをレア~ロゼに焼き上げたものならば、ブルゴーニュテイストを選びたくなるはず。
カテゴリー | 白赤ロゼスパークリングワイン | |
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ワイン名 | アプスレイ ゴージュ・ピノ・ノワール (Pinot Noir) | |
生産者名 | アプスレイ ゴージュ(Apsley Gorge) | |
生産年 | 2010 | |
産地 | オーストラリア/タスマニア州/北タスマニア | |
主要ブドウ品種 | ピノ・ノワール | |
希望小売価格 | 6,000円(本体価格) | |
輸入元/販売店 | ヴァイアンドカンパニー |
<マトン(親羊)の料理>
味わい深い肉料理、そしてスパイシーな料理に使われる事が多いこの月齢の肉にはジンファンデル(プリミティーヴォ)。なんて書いてみましたが、今流行り(?)のクラフトビール、IPAなどが個人的には好きだと言う事実は隠せません(笑)ジンギスカンにもビールは最高のパートナーですし(笑)
カテゴリー | ビール | |
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名称 | インディアンペールエール (Mountain Goat IPA) | |
生産者名 | マウンテンゴート(Mountain Goat IPA) | |
産地 | オーストラリア/ヴィクトリア州/リッチモンド | |
飲める店 | HOPS 125/この記事でご紹介したビールがやジンギスカンも楽しめる | |
東京都渋谷区恵比寿1-21-18 ライツ恵比寿 1F03-3447-1496 | ||
月~土]19:00~26:00 [日・祝]12:00~23:00 |
最後の最後にビールが出てきてしまったのですが、やはり一言で羊肉料理には「この品種のワイン」なんて結論付ける必要も無く、その調理方法に応じて、心地よく楽しめるワイン(ビールを含めたドリンク)を選ぶのがもっとも大切なのだ、と今更ながら。。。
で、結局は定番の「羊肉料理」と古典的な「シラーズ」の組み合わせはどうなのと言われれば、それはもうGOODなのです。なにせ、かの国(豪州ですが)のBBQには(ビールも含め)無くてはならない存在ですからね。
※全ての月齢の羊肉、ワインとの相性は調理方法・味付けで異なります、あくまで一例です。
(text & photos by Moriaki Higashizawa)
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