ピエモンテのワインと楽しい美味しいもの! 〜前菜からデザートまで〜
05/12
ピエモンテは、イタリアの中でも美食の地として知られています。フランスが近いこともあり、バター圏でもあるため、ある意味で危険な美味しさをはらんでいるのがピエモンテ料理です。もちろん、ワインも盛りだくさん! バローロ、バルバレスコはじめ、バルベーラ、ドルチェットなどの赤ワインだけでなく、アスティ・スプマンテやブラケットなど甘口スパークリング、そして食後酒のグラッパも魅力的です。
ちょうどアスティの中でも優れたバルベーラの産地である「ニッツァ Nizza」の取材を2日間したところですが(ニッツァについては、また別の機会に)、既にたくさんの美味しいものを食べてしまいました。中でも典型的なピエモンテのお皿をいくつかご紹介しましょう。
ローストビーフのような薄切りの牛肉に、なめらかなツナソースを添えたもの。海のない場所なので、メインは肉、肉、肉! です。でも、こうやって前菜も、やっぱり肉! なのですが、ツナソースは結構使うようです。ツナがとってもクリーミーなのも印象的です。
カルネ・クルーダ
生牛肉のたたきを丸めたものに、今回は名産のヘーゼルナッツがトッピングされていました。ハーブを散らしているところもありました。はい、やっぱり前菜なのですが、肉! なのです。あまりクセのない赤身肉で、小さく丸めてあるので、とても食べやすかったです。
こんな風に前菜からサラミや肉系が出てきますから、ここでは食前酒としてスパークリングワインを飲んだ後は、ずっと赤ワインでもOKなのです。若いバルベーラ・ダスティが肉系前菜に、ちょうどよいお相手となりました。
タヤリン
大好きなタヤリンです。手打ち麺で、細くて平たいパスタですが、これを食べるたびに日本のラーメンを思い出します。つゆなしのラーメン、でしょうか? バターをからめてサルビア(セージ)を添えてあるものと、ラグー(ミートソース)のせとが典型的なふたつのパターンのようです。
アニョロッティ
ラビオリのことをこう呼びます。挽肉やチーズが入っているラビオリで、アスティのほうは四角。アルバのほうはもう少し小さいとか。粉チーズをお好みで♪
リゾット・アル・バローロ/リゾット・アル・バルベーラ
バローロ(ネッビオーロ)やバルベーラを使ったピンクのリゾットです。ピンクといってもワインレッドを薄くした感じですけれどね。出汁(ブイヨン)の味に加えて、ほんのりとワインの酸味が残っていて、シンプルで美味しいリゾットです。バルベーラのリゾットを撮り損ねたので、写真は白いリゾット、ヘーゼルナッツのトッピングです。
牛肉の赤ワイン煮込みのことで、使ったワインの名前をつけるのがお決まりです。本当に長時間コトコトと煮込んであるので、牛肉がトロトロです。味もよくしみ込んでいて、ついついもう一口、と手が伸びてしまいます。一緒に飲むのは、やっぱり同じ赤ワインがよいと思います。私はブラザート・アル・バルベーラを食べながら、ニッツァの凝縮感あるバルベーラをいただきました。抜群の相性だったことは、言うまでもありません。
ブネ
伝統的なピエモンテのデザートのひとつブネは、アマレット風味のチョコレート・プディングです。粉アーモンドを使ったアマレット(アマレッティ)と呼ばれている半球状のビスケットが、ピエモンテのひとつの名物ですが、そのアマレットを使った、濃厚なチョコレートデザートです。もうこのあたりでは、甘口ワインかグラッパと一緒がよいですね。
結構たくさん書き出しましたが、これでもまだまだピエモンテ料理の極一部です。幸か不幸か、たいていどこでもお料理が美味しいというのがピエモンテ、でしょうか。食が進みすぎてちょっと困ります!
(text & photo by Yasuko Nagoshi)
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