シャンパーニュ「サロン」&「ドゥラモット」の新ヴィンテージ! 〜ディディエ・ドゥポン社長に聞く、それぞれの飲みどころ〜
04/10
シャンパーニュ好きの方にはお馴染みの「サロン」。1999年に続いてリリースされたのは偉大なる2002年ヴィンテージです。21世紀になって初めての「サロン」であり、38番目となります。かたや「ドゥラモット」は2004年ヴィンテージ。こちらも素晴らしい年です。それぞれの特徴や飲みどころをディディエ・ドゥポン社長に聞きました。
<2002年と2004年は素晴らしい年>
「サロン」は特別に出来のよい年にしか造られないとわかっていても、収穫年のポイントについては気になります。特に2002年は、他のメゾンが既にリリースしているプレステージ・キュヴェの様子をみても、あるいは今回2004年がリリースされた「ドゥラモット」の「ブリュット ブラン・ド・ブラン ミレジメ」の出来をみても、完成度が高いに違いないと予想できるので尚更です。
「サロンもドゥラモットのミレジメもシャルドネ単体ですから、どちらも恵まれた年ですね。2002も2004もとてもよいヴィンテージでしたが、2002年は特によかった。量的にはそれほど穫れませんでしたが、品質がいい。どちらもしっかり凝縮しました。そう、2002年のサロンは長寿ですよ! 50年は問題ないでしょうね。サロンもドゥラモットも基本的に長寿なシャンパーニュですけれど、これほど熟成可能性があるのは稀です」。
シャルドネ・イヤーとも呼ばれる2002年。ブドウが収穫されてから今年のリリースまで、既に11年経過しています。90年代でリリースされた1990年、1995年、1996年、1997年、1999年のどのヴィンテージよりも長い瓶熟成期間を経てのお披露目も、その瓶内に秘める潜在能力を示しているといえるでしょう。
その長寿の理由のひとつは、2002年の酸が高めだというところにあります。収穫時期の気温、特に夜の気温がぐっと下がって10度以下になったため、フレッシュな酸がより凝縮されたのです。
「1982年ヴィンテージと、とてもよく似ています」。
やはりバランスに優れた秀逸な年です。20年ほど前のことですが、1982年のサロンを飲んだことがあり、その時に受けたインパクトをまだよく覚えています。複雑な香りで、はっきりとしたハリのある果実味と酸があり、厚みもある、芯の強い味わいでした。もし今でも1982年ヴィンテージを手元にお持ちの方がいらっしゃったら、生まれてから30数年後のサロンの円熟した姿を楽しまれることでしょう。
一方、2004年ヴィンテージも2002年同様にシャルドネにとって素晴らしい年でしたが、2002年ほどの酸の高さではなかったので、より早めから楽しめます。バランスがよく、エレガントでクリーミー、とても木目の細やかな味わいです。2004年は収穫が9月20日から始まったそうです。
参考のために暑かった2003年についても聞いてみました。
「2003年は8月末に収穫し始めました。ブレンドするにはよいパーツとなりますが、単体で考えると私たちのタイプではありません。重みがあり、ジャムのようなニュアンスで甘くさえ感じます。私たちが求めるエレガンスや質の高い酸とは、かけ離れている」。
つまり、2003年は「サロン」は造られないということですから、「サロン」用の畑のブドウは姉妹である「ドゥラモット」に使われるということになります。2003年のパワフルな果実を、「ドゥラモット」のノン・ヴィンテージを経由して知らず知らずのうちに飲むことになりそうですね。
<サロン2002年&ドゥラモット2004年の楽しみ方>
食の世界にも詳しいドゥポン社長に、「サロン2002」&「ドゥラモット2004」それぞれどんな料理がお薦めか、尋ねました。
「2004年のドゥラモットには、帆立貝。バターを溶かしてフライパンでソテーして。つけあわせに、ミニ・キャロット、ホーレン草、新ジャガ、インゲン豆などの新鮮な野菜を蒸してバターで和えたものを添えれば完璧」。帆立貝はもちろんのこと、蒸してバターで和えた野菜も、ブラン・ド・ブランのヴィンテージにとてもよく合うと太鼓判です。
「2002年のサロンは、オマール海老ですね。これもシンプルに調理したもの。身だけを鍋に吊るして蒸し上げるのがいい。それからパタネグラ。スペインの熟成期間が長い生ハムで、生ハムの脂をサロンの酸がフレッシュにしていく感じ。他には、小さな蟹とか」。
とても具体的な説明なので、もしかすると料理上手なのかと思って聞くと「ああ、時々料理しますよ。魚料理が多いですね。それに、野菜も自分で作っているから」。庭の野菜を収穫してすぐに料理! 美味しそうです。
「グラン・ヴァンと一緒に食べる料理は、シンプルなものがいいですよ。ただ、いい素材を選ぶことですね」。さすが。説得力があります。ワインも料理も素材のよさを追求することからですね。
何か特別な日のために、どちらも手に入れておきたい銘柄です。特に2002年が何か記念の年の方なら、数本購入して10年ごとに開けるというのも素敵です。
(text & photo by Yasuko Nagoshi)
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カテゴリー | スパークリングワイン | |
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ワイン名 | サロン Salon | |
生産者名 | サロン Salon | |
生産年 | 2002 | |
産地 | フランス/シャンパーニュ地方 | |
主要ブドウ品種 | シャルドネ100% | |
希望小売価格 | 60,000円(本体価格) | |
輸入元/販売店 | ラック・コーポレーション |
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