おしゃれに飲む

キツネとブドウというのは、イソップの寓話にも出てくる組み合わせです。きっと昔から、キツネはブドウ畑のそばをウロウロとしていたのでしょう。先だって、東澤さんのコラムにキツネのラベルが登場した時に、他にもキツネが描かれたラベルを見たことがあるような気がしました。3銘柄ありました! 今回はオーストラリア、イタリア、スペインの可愛いキツネをご紹介します。

 

<オーストラリア/ヴィクトリア州のキツネ>

オーストラリア/東澤東澤さんの第1回コラムに、キツネのラベルが登場しました。北海道のキタキツネを思わせる可愛らしい姿ですが、このワインはオーストラリア産です。ヤラ・ヴァレーを拠点とするホドルス・クリーク・エステイトが造る「ウイッカムズ・ロード シャルドネ」。ここの他のアイテムはヤラ・ヴァレー産が多く、カエルがシンボルマークなのですが、このシャルドネはギップスランド生まれで、キツネのラベルです。きっとヤラの畑の近くにはたくさんのカエルが、ギップスランドの畑にはたくさんのキツネが住んでいるのでしょうね。

 

ホドルス・クリークを立ち上げた人物は、オーストラリアでも稀少で秀逸なワインを造るマウント・メアリーでも修業しているようですから、味わいもとっても期待できそうです。ラベルを眺めるだけではなくて、近いうちに味わってみたいと思います。

輸入元:kpオーチャード

 

<イタリア/トスカーナのキツネ>

リカーゾリ/ボルゲリこちらの美しい写実的なキツネは、イタリアはトスカーナより。キャンティ・クラシコの「カステッロ・ディ・ブローリオ」でお馴染みの、バローネ・リカーゾリがボルゲリ地区で造る赤ワイン2種類です。どちらもボルドー品種のブレンドで「ボルゲリ」のほうが今から美味しく飲めるタイプで、「アストゥート」はとても力強いので、大きなグラスで飲むか数年待つか、工夫したほうがよさそうです。いずれもリカーゾリらしさたっぷりで、整然としたバランス感覚に秀でたきっちりとした味わいです。

 

ボルゲリには、たくさんキツネが生息しているようですね。上級品の「アストゥート」というのは「賢いキツネ」という意味のようですが、キツネに収穫間近のブドウを食べられてしまわないことを祈ります!

輸入元:フードライナー

 

<スペイン/ペネデスのキツネ>

「ミラニウス」という名前は、やはり「賢いキツネ」という命名ですが、こちらは随分ソフトタッチのキツネですね。童話にでてきそうな、優しいキツネ、といったイメージです。スペインのペネデス地方、バルセロナからほど近い場所で、スパークリングワインのカバの産地としても知られているサン・サドルニ・ダ・ノイヤから生まれるワインです。

 

「レカレド」というカバの造り手をご存知でしょうか? ブリュット・ナチュレという瓶熟成を終えた後に糖分を一切添加しない製法を、昔からずっと一貫して守ってきた頑固な造り手さんです。畑での仕事が素晴らしく、コルク栓で行う瓶熟成期間は長く、チャレッロというブドウ品種をとても大切にしてきたマタ一族が代々引き継いできています。そして、新しく当主になったトン・マタが、これらの白ワイン造りを「セラー・クレド」という名前で始めたようです。

 

レカレド/チャレッロキツネのラベル「ミラニウス」は、チャレッロにマカベオとシャルドネをブレンド。「アロエルス」はチャレッロ100%です。ミラニウスは、柑橘類の香りが華やかでフレッシュで口当たりがよく、今とても美味しく飲めます! 「アロエルス」の場合は、はじめに少しチャレッロ独特の香りがするので、少しグラスの中でグルグル回すか、あるいはコルクを抜いてしばらくおいておくと、ふっくらとした香りと味わいが、とても魅力的に出てきます。

 

チャレッロは、リッチで長期熟成タイプのブドウ品種ではありますが、通常マカベオやパレリャーダとブレンドされてカバになるので、単体で味わう機会はあまりないと思います。この銘柄を飲むと、このブドウ品種について、あるいはカバにするときにどうして他の2品種とブレンドすることが多いのか、理解しやすいとも思います。「アロエルス」はゆっくり飲みたい白ワインです。

イーエックス・セラーでも買えます。

輸入元:ワイナリー和泉屋

 

他にもキツネのラベル、あるかもしれませんね。ご存知でしたらお知らせください!

(豪州のキツネラベル写真はby Mr. Higashizawa / text & photo by Yasuko Nagoshi)

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