おしゃれに飲む

先だってオーストリアを訪問しました。その時に、ヴァッハウの「ニコライホフ」を訪ねたら、最後にサース夫人からお料理本をいただきました。私はドイツ語はまったくわからないので、英語版でほっとしました。せっかくなので、作りやすそうな魚料理に挑戦! グリューナー・フェルトリーナーに合わせてみました。

 

綺麗な写真を見ているだけでも楽しいですが、レシピを読んでみると面白いです。

「私が子供の頃は、このサワーミルク・スープは多くの家庭で朝食か軽い夕食に出されていました……」といような、それぞれの料理にまつわるちょっとした話が書かれています。

「冷凍の魚は使ってはだめ」とか、塩はどれも「天然の塩 natural salt」と書いてあり「天然の塩は精製されておらず、大切なミネラルをすべて含んでいます」と解説してあるなど、さすがバイオダイナミクスの実践者と感じられる、素材へのこだわりも各所で垣間見えます。

ヴァッハウで生まれ育ったクリスティーネ・サース夫人の、日々の健全で美味しい食生活のエキスのような一冊です。前菜、スープ、メイン、デザートまで170ページ余り! これ、日本語訳が出るといいですね〜。

 

さて、メイン料理の中から、90ページ目の魚のパティを選んで作ってみました。魚のハンバーグのカツレツ風、という感じでしょうか。すべてレシピ通りにしたわけではなく、作りやすいようにアレンジしましたが、何となくそれらしい物体は出来上がりました。レシピを載せてみますので、よかったらお試しください。

(レシピと変えたのは、こんな部分です。ロールパン→普通のパン粉/魚の切り身→タラの切り身と海老を少々/精製したバター→オリーブオイル/マジョラム、タバスコ、チリ・パウダー→なし/ソースはトマトソースにして、飾りにディルを使用)

この一皿に挑戦しました!

この一皿に挑戦しました!

<魚のパティ>

材料:6皿分

残ったロールパン 2個(ミルク少々に浸しておく)

魚の切り身 600〜800g(骨抜きしたフレッシュな魚/冷凍ものは使わない)

精製したバター 20g(ギー/インドで料理によく使われる)

小さな玉ねぎ 1個(薄くスライスしておく)

卵 1個

天然の塩

挽きたての黒胡椒

マジョラム

タバスコ3滴 あるいは チリ・パウダー1つまみ

パセリ(刻んでおく)

パン粉(編注:細かいパン粉を使うとオーストリア風に!)

フライ用の、精製したバターなどの油脂類

つけあわせ用の、ノウゼンハレンの花

 

*魚のパティは、主にドナウ川で穫れる白身魚で作られます。味は美味しいのに、骨が多いという理由で食卓にのぼりにくい魚です。だからその魚は、たいていこういった魚のパティ、魚のミンチのシュニッツェル(カツレツ)になって出てくるのです。

 

1−ミルクに浸しておいたロールパンを軽く搾り、余分な水分を除き、骨抜きした魚と共に2回ミンサー(フードプロセッサー)にかける。

2−スライスした玉ねぎを精製したババターあるいはギーでソテーした後、1と卵と共によく混ぜる。

3−味つけをして、パセリも加える。

4−適度な堅さになるよう、3に必要な分だけパン粉を加える。

5−手を濡らし、4をまず団子状にしてから平たいパティに成形し、パン粉をまぶして揚げ焼きにする。肉のパティよりもほんの少し多めの油脂を使うとよい。

お薦めの添え物:ディルまたはトマトのソース、じゃがいも、野菜、サラダ

出来上がりは、こちら。ワインはもちろんニコライホフです! 欧州で最も古い記述があるというぶどう畑「イム・ヴァインゲビルゲ」のグリューナー・フェルトリーナー・フェーダーシュピール2013年です。ミラベルやかたい桃のようなハリのある香りで、とてもピュアで厚みもある、若々しい白ワインです。

出来上がりは、こちら。ワインはもちろんニコライホフです! 欧州で最も古い記述があるというぶどう畑「イム・ヴァインゲビルゲ」のグリューナー・フェルトリーナー・フェーダーシュピール2013年です。ミラベルやかたい桃のようなハリのある香りで、とてもピュアで厚みもある、若々しい白ワインです。

(ワインの輸入元:ファインズ

(text & photo by Yasuko Nagoshi)

 

表紙 カテゴリー ハードカバー
書籍名 The Wachau Cookbook
著者名 Christine Saahs
発行日 2013年月日
ISBN 978-3-85033-909-4
出版社 Brandstätter
紀伊国屋で取り寄せも
ここで買えます
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Related Article