オーストリアのナチュラルな料理本! 〜バイオダイナミクスで知られる「ニコライホフ」のサース夫人の料理〜
06/15
先だってオーストリアを訪問しました。その時に、ヴァッハウの「ニコライホフ」を訪ねたら、最後にサース夫人からお料理本をいただきました。私はドイツ語はまったくわからないので、英語版でほっとしました。せっかくなので、作りやすそうな魚料理に挑戦! グリューナー・フェルトリーナーに合わせてみました。
綺麗な写真を見ているだけでも楽しいですが、レシピを読んでみると面白いです。
「私が子供の頃は、このサワーミルク・スープは多くの家庭で朝食か軽い夕食に出されていました……」といような、それぞれの料理にまつわるちょっとした話が書かれています。
「冷凍の魚は使ってはだめ」とか、塩はどれも「天然の塩 natural salt」と書いてあり「天然の塩は精製されておらず、大切なミネラルをすべて含んでいます」と解説してあるなど、さすがバイオダイナミクスの実践者と感じられる、素材へのこだわりも各所で垣間見えます。
ヴァッハウで生まれ育ったクリスティーネ・サース夫人の、日々の健全で美味しい食生活のエキスのような一冊です。前菜、スープ、メイン、デザートまで170ページ余り! これ、日本語訳が出るといいですね〜。
さて、メイン料理の中から、90ページ目の魚のパティを選んで作ってみました。魚のハンバーグのカツレツ風、という感じでしょうか。すべてレシピ通りにしたわけではなく、作りやすいようにアレンジしましたが、何となくそれらしい物体は出来上がりました。レシピを載せてみますので、よかったらお試しください。
(レシピと変えたのは、こんな部分です。ロールパン→普通のパン粉/魚の切り身→タラの切り身と海老を少々/精製したバター→オリーブオイル/マジョラム、タバスコ、チリ・パウダー→なし/ソースはトマトソースにして、飾りにディルを使用)
<魚のパティ>
材料:6皿分
残ったロールパン 2個(ミルク少々に浸しておく)
魚の切り身 600〜800g(骨抜きしたフレッシュな魚/冷凍ものは使わない)
精製したバター 20g(ギー/インドで料理によく使われる)
小さな玉ねぎ 1個(薄くスライスしておく)
卵 1個
天然の塩
挽きたての黒胡椒
マジョラム
タバスコ3滴 あるいは チリ・パウダー1つまみ
パセリ(刻んでおく)
パン粉(編注:細かいパン粉を使うとオーストリア風に!)
フライ用の、精製したバターなどの油脂類
つけあわせ用の、ノウゼンハレンの花
*魚のパティは、主にドナウ川で穫れる白身魚で作られます。味は美味しいのに、骨が多いという理由で食卓にのぼりにくい魚です。だからその魚は、たいていこういった魚のパティ、魚のミンチのシュニッツェル(カツレツ)になって出てくるのです。
1−ミルクに浸しておいたロールパンを軽く搾り、余分な水分を除き、骨抜きした魚と共に2回ミンサー(フードプロセッサー)にかける。
2−スライスした玉ねぎを精製したババターあるいはギーでソテーした後、1と卵と共によく混ぜる。
3−味つけをして、パセリも加える。
4−適度な堅さになるよう、3に必要な分だけパン粉を加える。
5−手を濡らし、4をまず団子状にしてから平たいパティに成形し、パン粉をまぶして揚げ焼きにする。肉のパティよりもほんの少し多めの油脂を使うとよい。
お薦めの添え物:ディルまたはトマトのソース、じゃがいも、野菜、サラダ
(ワインの輸入元:ファインズ)
(text & photo by Yasuko Nagoshi)
カテゴリー | ハードカバー | |
---|---|---|
書籍名 | The Wachau Cookbook | |
著者名 | Christine Saahs | |
発行日 | 2013年月日 | |
ISBN | 978-3-85033-909-4 | |
出版社 | Brandstätter | |
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