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地図

ラベル「作品番号1」という名の「オーパス・ワン」。ご存知のように、このラベルの横顔は、右を向いているのがバロン・フィリップ・ロッチルド、左を向いているのがロバート・モンダヴィです。バロンがロバート・モンダヴィをボルドーに招待して、このプロジェクトを持ちかけたと聞いていたのですが「ロバート・モンダヴィは、ボルドーでワインを造るものと思って訪れた」のだそうです。バロンがカリフォルニアという土地に興味があるとは、思ってもみなかったのですね。

ワイナリーについて、そして2010年については、こちらの記事をご覧下さい。

 

オーパス・ワンの日本事務所代表のキャドビー康子さんによって行われたマスター・クラスでは、2005年、2009年、2011年の比較試飲が行われました。

 

日本事務所代表のキャドビー康子さん。

日本事務所代表のキャドビー康子さん。

<オーパス・ワンの畑>

オーパス・ワンは一度だけ訪問したことがあります。1999年のことで、取材というより、ちょっと立寄らせてもらった、という程度でした。当時は、生産量や畑についての情報が公開されていなかったので、仲間うちで「謎だね〜」と、色々噂していたのですが、キャドビーさんから「91年にワイナリーが完成し、95年には生産量が25,000ケースになりました」との情報です。ちょうど30万本です。

 

畑昔はモンダヴィからリースしていた畑もあるようですが、現在すべて自社畑で、3ヶ所に分かれています。合計68ヘクタールあり、そのうち56ヘクタールが生産可能な状態です(畑の広さとあわせて計算すると、ヘクタールあたり約40hlの収穫量となります)。

ワイナリーの周りにあるヴァカ山脈側の畑は、西日があたり力強いワインになります。マヤカマス山脈側の南部にある最も古い区画Qブロックは、朝日があたり柔らかなワインに。そしてもうひとつが、同じくマヤカマス山脈側にあるモンダヴィのトカロンの最高の区画を買い取っています。

 

現在の醸造長、マイケル・シラーチが2001年に来て以来、畑での仕事内容が変わったと聞いていましたが、そのひとつが収穫時間。2001年からずっと、夜中の気温が低い時間帯に行うようになったそうです。白ワイン用のブドウでは、よく夜中収穫という話を聞くのですが、赤ワイン用でも行っているのですね。朝3時から開始して、9時頃まで、ちょうど朝霧が晴れてしまう前には終了するといいます。果実のフレッシュ感を大切にしてのことでしょう。

 

そしてバロネス・フィリピーヌの話も出てきました。バロン・フィリップ・ロッチルドとロバート・モンダヴィで始めたプロジェクトですが、2004年末にモンダヴィが経営から退き、パートナーはコンステレーション・ブランズに代わりました。この時バロネスは、畑の管理、経営管理、セールス・マーケティングについて、一切コンステレーションに手を出させない、と約束させたそうです。さすがです!

グラス

<2005、2009、2011年>

2001年からマイケル・シラーチが醸造長を務めています。それまでの米仏2人体制ではなくなりましたが、マイケル・シラーチはオーパス・ワンに到着してから、初ヴィンテージの1979年から直近の2000年までのワインを繰り返し試飲して、それまでのスタイルを頭に叩き込んでから、自らの初作品に臨んだそうです。それでも、確実に変化していると感じるのですが、いえば、より洗練されたのではないか、という印象です。

以下、3つのヴィンテージのコメントとデータを記します。ご参考に。

 

2005年

熟成香が出始めている。リキュールからドライな赤い果実、黒い果実に、スパイスやなめし革が加わる、バランスよい香り。とてもなめらかでボリューム感もあり、まろやかな味わい。

DATA:

ゆっくりと成長し、オーパス・ワン史上、最も長い収穫を行った、クラシックな年。雨も多め。年間降雨量1125ミリ。収穫9月21日〜11月2日。カベルネ・ソーヴィニヨン88%、メルロ5%、プティ・ヴェルド3%、カベルネ・フラン3%、マルベック1%。

 

2009年

タイトで閉じた香り。スパイス、ほんのりとしたコーヒー豆、カシスなどの果実が感じられる、しなやかな香り。口中もタイトで若干控えめ。バランスよく、タンニンは細やかで豊か。

DATA:

9月の2度の猛暑を除き成育期を通して涼しく、雨も少なかった年。年間降雨量641ミリ。収穫9月21日〜10月19日。カベルネ・ソーヴィニヨン81%、カベルネ・フラン9%、プティ・ヴェルド3%、メルロ1%、マルベック1%。

 

2011年

スパイシーで、凝縮感のあるカシス、チェリー、ブラックチョコレートなどが香る。なめらかな食感で、果実味と酸のバランスが極めてよく、しなやかで木目細やか。熟度と繊細さを兼ね備えている。タンニンもとても細やか。

DATA:

涼しく、雨も多めだった年。6月の雨が開花に影響し、収穫量は減ったが果実の凝縮度は上がった。年間降雨量1209ミリ。収穫9月22日〜10月25日。カベルネ・ソーヴィニヨン71%、メルロ11%、プティ・ヴェルド9%、カベルネ・フラン8%、マルベック1%。

(夏が冷涼で、とても困難な年だった2010年から、選果用にVistalysを導入すると共に、「熟した果実からフレッシュな果実へと、果実のプロファイルの見直しを行った」ことが、きれいな酸につながっているのだろう)

 

オマケ:「2012年と2013年はグレート・ヴィンテージ」「2014年はとてもドライな年」ということです。

(tex t & photo by Yasuko Nagoshi)

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