ワインと料理

1グラン/白表紙

シャルドネだけで造る、上品なクレマン・ド・ジュラはとても印象的でした。また、お寿司のお伴として楽しみたいと思います。その造り手「ドメーヌ・グラン」は、ジュラ地方の伝統品種でスティルワインやヴァン・ジョーヌのシャトー・シャロンも造っています。いずれも珍しい品種なので、白編でサヴァニャンを、赤編でトルソー、プルサールの特徴を探し、お料理合わせも試みました。

 

<サヴァニャンの特徴>

サヴァニャンはとても古くから存在するブドウ品種で、グエ・ブランやピノと同様に、多くの品種の生みの親、あるいは祖先となってきました。片親はピノだ、ということもわかっています。

そして子供の代にあたる品種としては、ヴェルデホ、グリューナー・フェルトリーナー、プティ・メリエ、シュナン・ブラン、ソーヴィニヨン・ブラン、シルヴァーナー、プティ・マンサンなどが挙げられます。

 

現在「サヴァニャン」には3種類あり、通常サヴァニャンと呼ばれているのは、白っぽく黄色い粒の「サヴァニャン・ブラン」です。サヴァニャンの中でも、ピンク色の粒のものは「サヴァニャン・ロゼ」、ピンク色の粒でアロマティックなものは、あの「ゲヴルツトラミネール」です。

 

今回の「ドメーヌ・グラン」が白ワインとシャトー・シャロンに使っているのは「サヴァニャン・ブラン」です。

フル・ボディで、ストラクチャーがしっかりし、熟成可能性のあるワインに仕上がることで知られています。

栽培上では、発芽も成熟も早い品種で、房も粒も基本的に小さいのが特徴です。そして果皮が厚いので病気に強く、高い糖度が得られるとともに、高いレベルの酸を保つことができるという性質もあります。

 

ジュラ地方で造られるシャトー・シャロンは、サヴァニャンの真髄ともいえるワインです。丘の頂にある村でしか造られない、シェリーにも似た力強い辛口の白ワインです。

アルコール発酵を終えたワインは、樽の中で6年間の時を過ごすのですが、その間に蒸発して減っていく液体が足されることはありません。シェリーと同様に、液体の表面はフロールと呼ばれる産膜酵母が覆い、これによって独特の熟成香が生まれます。ただ、シェリーとは異なり、シャトー・シャロンの場合には酒精強化は行いません。

 

でもサヴァニャンから造られるワインは、大きくふたつのタイプに分けられます。ひとつがシャトー・シャロンをはじめとするヴァン・ジョーヌ、まさに黄色のワインです。黄金色でナッツやスパイスなどが香る、伝統的な酸化熟成タイプ。もうひとつは酸化させないモダンなタイプで、造り手によってはシャルドネとブレンドすることもあるようです。

 

<ドメーヌ・グランのモダンなサヴァニャン/エクスプレッション 2011 3,300円(本体価格)

綺麗な明るい黄金色です。白や黄色い花、熟したリンゴ、レモン、日向夏、柑橘類の果肉といった厚みのある香りで、ほんのりハチミツ香や香ばしさも感じられます。全体にふっくらとして豊かな印象です。

味わいは、なめらかなアタックで、酸がとてもフレッシュ。厚みも収れん性ある、力強いストラクチャーがあり、若々しさでいっぱいです。ボリューム感もあります。

収れん性があるので、食事との相性が抜群によさそうです。

鶏肉のクリームソースに、ウドや山菜のような春野菜のバターソテーを添えて。茸のグラタン。クリーム系の料理。仔牛肉のカツレツ。海老や帆立、甲殻類を素材にするのもよさそうです。

 

<ドメーヌ・グランの伝統的なサヴァニャン/シャトー・シャロン 2007 620ml 8,200円(本体価格)

きれいな黄金色です。香ばしい香りがします! アーモンドやヘーゼルナッツのようなナッツ、クミンなどのエキゾチックなスパイス、ミラベルや熟した黄色い梅、あるいはそのジャム、バニラビーンズといった、複雑性のある香りです。

味わいは、こちらもなめらかなアタックで、ボリューム感もたっぷりです。酸はフレッシュで、収れん性もあり、ストラクチャーもしっかり。

辛口シェリーと同様に、通好みかもしれません。こちらも「エクスプレッション」と同じような料理に合わせてみたくなります。

 

<ジュラ地方の料理と/コッコー・ヴァン・ジョーヌ>

1グラン/コッコーヴァアンコッコー・ヴァン(コック・オー・ヴァン)といえば、ブルゴーニュの地方料理として有名な鶏の赤ワイン煮込みです。それがジュラ地方になると、なんとヴァン・ジョーヌを使って鶏を煮込むコッコー・ヴァン・ジョーヌがあるのです。実際にはジュラ地方を訪問したことがないので、現地の本物を食べたことはありませんが、鶏の赤ワイン煮込みの要領でトライしてみました。

 

手間ではありますが、一緒に煮込んだ野菜を漉すと、とてもなめらかなソースになりました。せっかくのシャトー・シャロンをドボドボと鍋の中に入れてしまうのは、ちょっと気が引けましたので、シャトー・シャロンは少しにして、別途白ワインを煮込み用に使いました。ただ、シャトー・シャロンを少量でも使うことで独特のスパイシーな香りがソースに残りますから、お薦めします。

 

エクスプレッション、シャトー・シャロンともに、とてもよい相性でした。厚みやコク、ストラクチャーがあるのが合わせるポイントなのでしょう。

 

じっくり煮込んでいる時間はないなあ、という方にはジュラ地方のチーズをお薦めします。熟成したハードチーズのコンテ。あるいは冬の期間限定ではありますが、モン・ドール。モン・ドールは、ニンニクと白ワインでチーズ・フォンデュのようにするのもお薦めです。

 

ジュラ地方のレアなワインを、お楽しみください! では、次回は「赤編」を。

(tex t & photo by Yasuko Nagoshi)

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