バローロ&バルバレスコを生むピエモンテで見つけた美味しいもの 〜ヘーゼルナッツ・チョコと白トリュフ塩〜
05/19
バローロ、バルバレスコ、ロエロ、バルベーラ・ダスティ、ドルチェット・ディ・ドリアーニ、ガヴィ、ロエロ・アルネイス、モスカート・ダスティ、などなどなど、たくさんの美味しいワインを生み出す北イタリアのピエモンテ州は、美食の地としても知られています。ちょっと見つけた美味しいものをご紹介します。
バローロ、バルバレスコ、ロエロといったネッビオーロ種から造られる赤ワインの試飲のため、ピエモンテ州のアルバの街に数日間滞在し、昔ながらの石畳の商店街を通って、毎日テイスティング会場まで歩きました。カフェやレストラン、乾物屋、パン屋、菓子店。北イタリアらしい生パスタ店、この地ならではのトリュフの店。マックス・マーラーやミッソーニ、ベネトンなどのブランド店もあります。どこも間口が狭くこぢんまりとして、いい雰囲気を醸し出していました。
そういったお店のショーウインドーの飾り付けが、日に日に変化していくのに気がつきました。ヘーゼルナッツ・チョコレート・スプレッドで有名な「ヌテラ」の旗やグッズが次々と増えていくのです。ちなみに、イタリアでは「ヌテッラ」、フランスでは「ヌッテラ」と呼んでいるようです。
よく見てみると「ヌテラ」誕生50周年のお祝いでした。アルバの街の郊外に工場があり、その側を通ると甘〜い香りがするといいます。「子供の頃から朝に夕にと毎日食べて、ヌテッラで育ったようなもの」というイタリア人もいました。今では世界中で食べられているこのチョコレート・スプレッドですが、北イタリアのアルバ生まれだとはなかなか気がつきません。でも、ここで誕生するべき理由がありました。
ピエモンテ州のアルバやトリノ周辺は、ヘーゼルナッツの名産地です。そして19世紀半ばにトリノのカファレル社が、カカオにヘーゼルナッツ、砂糖、牛乳を加えて、後にジャンドゥーヤと呼ばれるようになるヘーゼルナッツ・チョコレートを作ったことが始まりで、それ以来この組み合わせが人気を博しているのです。ヌテラも有名ですが、カファレル社のジャンドゥイオットというチョコレートも、きっと食べたことがある方は多いはず。バーチ、というチョコもやっぱりヘーゼルナッツとチョコレートの組み合わせです。
他にも、ヘーゼルナッツそのものや、砂糖をからめたヘーゼルナッツ(黒糖ピーナッツのような感じ)、ヘーゼルナッツ入りのヌガー、ヘーゼルナッツのケーキなど、色々なものがありました。独特の香ばしさがカカオと渾然一体となった香りは何とも魅力的で、やみつきになりそうです。
そして、忘れてはならないのが白トリュフ! グルメな皆さんにはお馴染みでしょうが、この地では黒トリュフはあまりありがたいとは思われないのです。白トリュフがあるのですから、しようがないかもしれません。香りの高さと希少性から、価格も黒トリュフの10倍以上です。とはいえ、幸か不幸か白トリュフは時期外れで、加工品しか売っていませんでした。トリュフオイル、トリュバター、トリュフ塩などです。
トリュフ塩を求めてみましたが、蓋を開けるとちゃんと白トリュフの香りがフワッと出てきます。これをふりかければ、普通の料理もちょっとした豪華な一皿に変身! 魔法の粒と呼びたい存在です。
ピエモンテ州のワインを飲む時に、おつまみやデザートにヘーゼルナッツやお菓子類、あるいは調味料として白トリュフ塩など、産地つながりを楽しんでみてはいかがでしょうか。
カファレル社のジャンドゥーヤペーストがありました。
タルトゥフ・ランゲの白トフュフ塩も売っていました。
(text & photo by Yasuko Nagoshi)
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