ワインと料理

1997年にワイン専門誌を創刊、現在に至るまで毎日ワインを飲む生活が続いています。一番多いのはシャンパンです。

そして何を食べたいか。いつも妄想しています。

 

栄えある第1回は餃子。

ワインのお仕事に関わる前から餃子偏愛主義者であり、

業界の先輩方に「餃子にシャンパン? なんでまたそこに?」と

苦笑されながらも一貫してこの15年以上

「餃子には絶対シャンパンです」と言い続けています。

今でこそ餃子とシャンパンは注目されていますが、本当に相手にされなかった不遇の時代もあり、ようやく…といったところでしょうか。

パリにも餃子専門店ができましたし、私はランスへ出張の度に新しいチャイニーズを見つけ必ず餃シャン(餃子とシャンパン)しています。

 

1407餃子画像20年以上前から通っている、午前4時クローズ・東京・赤坂見附のラーメン店。

ここの餃子は本当に完成度が高い。

1ヶ月3万個以上出るとか。どうです。この焼き目。

 

私は焼き目だけで「きれいに手入れされている焼き台か否か」がわかります。

このお店は本当にきれいで使い込まれている鉄鍋。

中華用の火力ゆえ、細かく調整し、10分かけて焼き上げます。

ただ残念なのはドリンクがビールしかないこと・・・

テイクアウトもできるのですが、それだと味が変わっちゃうし。

ゆえにいつもこの餃子を食べるときはどんなシャンパンを飲みたいか妄想しています。

 

餃子のスペックは

*味付けがしっかりしている

*そこまで肉汁は出てこない

*よく練り込まれている

*タレなしでも充分おいしい

 

総合評価は「バランスよし」。

この場合、私なら何を飲みたいか。

 

*味付けがしっかりしている→すっきり流したい

*肉汁→ボリューム感を添えてもよいかも

*練り込み→複雑さ、ありだよね

*タレなし→胡椒とかのスパイスがあるとより美味しくなるか

 

うーん。

すっきり、ということでシャルドネを強調するのはなんだか普通。

シャルドネ率の高いブレンドタイプ、って感じではないな。

それは単純すぎる。あえて醤油とか使いたくなるし。

 

そうか、シャルドネ=ブラン・ド・ブラン=にして逆に振り切ってしまってみては・・・!

 

あと必要なのは熟成感だ。

フレッシュな酸味はこの餃子向きではないと思っているから。なぜならよく練りこんでいることからくるボリューム感がある。

かといってヴィンテージという短絡的な発想はイヤ。

あえてのノン・ヴィンテージが絶対条件。

この狭い世界から探す方が面白い。

 

ノン・ヴィンテージでも今ほとんどのメゾンが20ヶ月以上熟成させてからの出荷だし、リリースされてそんなにすぐ輸入されていることもないだろうし。

グラスのフォルムを考えて香りにボリューム感を出せればきっと味わいが見えてくる気がする。

よし、絶対白ワイングラスで飲むこと。これは死守しよう。

 

ひらめきました。絶対コレ、合うと思う。

 

ドゥラモット・ブラン・ド・ブラン。

 

ご存知のとおり、ドゥラモットが考えるシャルドネ、というのは本当に素晴らしい。しかもポテンシャルが高く熟成の楽しみも味わえます。

同じシャルドネを得意とするメゾンとも全く異なる世界観。

これはダブルテイスティングしてみるとはっきりわかるはず。

ドゥラモットについては本当に話したいことたくさんあるので

それはおいおい。

 

試していただきたいこと。

これを数本まとめ買いして1年くらいかけて定点観測してみてください。

「熟成」というキーワードが伝わると思います。

これだからシャンパンは面白いですね。

 

あ、胡椒を忘れていました。これはぜひ試したいので、

お店の胡椒を舐めてから改めて報告します。

 

こんな妄想マッチング。

おつき合いのほど、よろしくお願いいたします。

<藤崎さとこプロフィール>

ワイン スタイリスト。1997年、ワイン専門誌「ワイン王国」を立ち上げ、企画、広告、編集を兼任。2003年独立。以来男性ファッション誌ライフスタイル誌などのレオン、メンズクラブ、GQ、safari、fine、東京カレンダー、figaro onlineなどを中心に料理製作、料理に合うワインやシャンパン、またレストラン紹介などの連載を担当。また講談社発行・週刊モーニングでは現在世界中で翻訳・発行されているワイン漫画・神の雫で料理と合うワインコラムを連載。ワインセミナー、レストランコーディネートも手掛けている。2007年度シュヴァリエ・ド・シャンパーニュ、2009年度日本では最年少でオフィシエ・ド・シャンパーニュ叙任。

(text & photo by Satoko Fujisaki)

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